90文学

ザ・ライト・スタッフ/トム・ウルフ

『ザ・ライト・スタッフ―七人の宇宙飛行士 (中公文庫)』を読んだよ。日本語訳は「正しい資質」。以前にも紹介した米アマゾン選定の「一生のうちに読むべき100冊」のうちの1冊。こういうリストって、特段に気にする必要はないのは分かっているんだけど、つい…

司馬遼太郎の「かたち」/関川夏央

『司馬遼太郎の「かたち」―「この国のかたち」の十年 (文春文庫)』を読んだよ。思いの丈をぶつける。司馬遼太郎の『この国のかたち』を読んだきっかけは何だったんだろう。今になってはもう思い出す必要もないのだけれども、何となく不思議な気分。その『こ…

蹴りたい背中/綿矢りさ

『蹴りたい背中』を読んだよ。蹴りたくなるんだろうなぁ〜。綿矢りさの芥川賞受賞作品。それが2004年だから、もう10年以上も前なのか…。金原ひとみと同時受賞ってことで、話題になったのをよく覚えている。当時19歳という年齢も印象に残ったよね。主人公は女…

俗物図鑑/筒井康隆

『俗物図鑑 (新潮文庫)』を読んだよ。サラリーマンの夢。文庫版の初版が昭和51年。当時、本屋に本格的に通うようになった自分にとって、異彩を放つ本書の表紙がおもいっきり印象に残るものだったわけで、それ以来ずっと気になっていた本書。筒井康隆の著作は…

空飛ぶ馬/北村薫

『空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)』を読んだよ。人が死なない推理小説。『八月の六日間』で知った筆者の北村薫。過去の著作も調べてみたら、デビューは推理作家だったみたい。というわけで、推理モノの最初の一冊が本書。主人公は女子大生の…

アンネの日記/アンネ・フランク

『アンネの日記 増補新訂版』を読んだよ。自称「があがあ娘」。米アマゾンが選定した「一生のうちに読むべき100冊」から適当に選んで読むことがあるんだけど、今回はその1冊。あまりに有名だけど、子供の頃に読んだ記憶は無し。でも、2014年の図書館所蔵の本…

機械・春は馬車に乗って/横光利一

『機械・春は馬車に乗って (新潮文庫)』を読んだよ。国語の問題に出そう。大正期から戦前を中心に活躍した小説家・横光利一の短編集。中学や高校の近代日本文学で一度は名前を聞いたことがあるはず。でも、メジャー級ではないから、気になる程度。積極的に読…

僕って何/三田誠広

『僕って何 (河出文庫)』を読んだよ。今も昔も。なんだか懐かしい本。たぶんだけど、何十年も前に読んだことがあったと思う。単行本の初版が1977年だから、今から思えば、大昔だなぁ。 なぜまた読みたくなったのか?それは完全に気分の問題。単なるノスタル…

マッハの恐怖/柳田邦男

『マッハの恐怖 (新潮文庫)』を読んだよ。それでも飛行機は飛び続ける。柳田邦男氏のノンフィクション、いつかは読みたいと思っていたけど、氏の作品で最も興味があったのが本書。っていうか、中高生の頃から気になっていた本であるのは確か。けれども、文庫…

夜のピクニック/恩田陸

『夜のピクニック (新潮文庫)』を読んだよ。青春小説、読むのも辛い。新潮文庫の『中学生に読んでほしい30冊 2014』をKindleでダウンロードして、パラパラ見ていた中からの1冊目。恩田陸は初見参だし、こういう青春長編小説は久しぶり。しかも、登場人物はす…

縦走路/新田次郎

『縦走路 (新潮文庫)』を読んだよ。メロドラマか?『火の島』に続き、また新田次郎。文庫版が絶版にならないうちにとは思うけど、本書は何度も版を重ね、今のところ大丈夫そう。主な登場人物は、男女2人づつの計4人。しかも、妙齢の4人だから、話は必然的に…

タイム・マシン/H・G ウェルズ

『タイム・マシン ウェルズSF傑作集』を読んだよ。人類はどこに行くのか。SFの古典作家H・G ウェルズの作品集。そして、表題作の『タイム・マシン』が中編として本書のほとんどを締める作品。SFの古典と言えば、自分的にはジュール・ヴェルヌ。『十五少年…

火の島/新田次郎

『火の島』を読んだよ。公務員であり、観測者でもあり。新田次郎の文庫は絶版になってしまったものがあるような気がしていたんだけど、その一つが本書。藤原センセーのお陰で、改版が出ているものもあるんだけど、これからどうなっていくか心配。だから、本…

森の暮らし、森からの旅/加藤則芳

『森の暮らし、森からの旅―八ヶ岳山麓だより』を読んだよ。あこがれの森の生活。筆者の加藤則芳氏の著作は『ぼくのペンションは森のなか』から始まって、幾つも読んできたよ。そして、今回は八ヶ岳ものの一冊。月刊雑誌『月刊リゾート物件情報』に連載されて…

降霊会の夜/浅田次郎

『降霊会の夜』を読んだよ。死者に会いたいか?kindle本は積読状態のものが何冊もあるんだけど、本書のそのうちの1冊。紙の本が欠乏した時の隙間に読むことが多いので、ついつい積読になり気味。で、今回はその隙間。多くの積読本のうち、何を読むかはその時…

虚構の城/高杉良

『虚構の城 完全版 (角川文庫)』を読んだよ。企業体質って変わるのか…。企業小説の推薦図書の中に入っていた本書。そして、高杉良氏のデビュー作だとか。半沢直樹の人気にあやかってか、このところこの手の企業小説が本屋の平台に並ぶことが増えているような…

天国にいちばん近い島/森村桂

『天国にいちばん近い島 (角川文庫)』を読んだよ。冒険の書。ず〜っと気になっていた本書。昔から知っていたし、映画にもなった。もっとも映画は本書の後編という位置づけで、原田知世の為の映画だったのかも。文庫本は絶版になり、図書館か古本屋でしか入手…

エディプスの恋人/筒井康隆

『エディプスの恋人』を読んだよ。七瀬に会いたい。筒井康隆の七瀬三部作の最終作。前作であの七瀬もついに…という結末だったので、三部目ではどうなることやらと思っていたけど…。 で、今回の七瀬の職業は高校職員。しかも教務課というちょっと変わった風味…

クライマーズ・ハイ/横山秀夫

『クライマーズ・ハイ (文春文庫)』を読んだよ。あれからもう30年。衝撃的な事故だったから、その事故を知った時のことははっきりを記憶している。誰もがテレビに釘付けだったように思う。お盆で休みだったことも、その要因だったかな。 御巣鷹山の日航機墜…

八月の六日間/北村薫

『八月の六日間』を読んだよ。おやつ装備に興味津々。去年の春に山にまつわる小説が2冊出て、どちらも人気作家だったので、図書館ではいきなり予約多数。1年を過ぎて落ち着いたところでやっと借りられたのが、そのうちのこの本。小説には関係ないけど、筆者…

別冊図書館戦争II/有川浩

『別冊図書館戦争II (図書館戦争シリーズ 6) (角川文庫)』を読んだよ。めでたしめでたし。図書館戦争シリーズもこの第6巻で最終巻。別冊とはいえ、結局続編のようなものだから、楽しさは本編と変わらず。しかも、読むにつれて、登場人物の人となりが徐々に明…

検屍官/パトリシア・コーンウェル

『検屍官 (講談社文庫)』を読んだよ。海外ミステリーもいいね。夏休みの課題図書のひとつ。課題図書は、比較的長めのもので、しかも小難しくないものがいいんだけど、海外ものは訳が悪いと途端に難度が上がるから厄介。それでも、今回は比較的スイスイ読めた…

清須会議/三谷幸喜

『清須会議』を読んだよ。読みやすい戦国時代劇。時代劇はほとんど読むことがないけど、なぜか心惹かれるものがあった本書。電子書籍で購入して、ずっと端末の中に眠っていたけど、夏休みなので引っ張り出してみる。 確か映画にもなったはずだし、三谷幸喜氏…

活字博物誌/椎名誠

『活字博物誌 (岩波新書 新赤版 (586))』を読んだよ。このヨタ話が止められない。いきなりだけど、本書のあとがきから引用。なにやらたいそうな題名になってしまったが、日頃たいした脈略もなしに、そして発作的に読み散らかしているいろんな本の読後連想式…

真説 金田一耕助/横溝正史

『真説金田一耕助 (角川文庫 緑 304-63)』を読んだよ。「真説 横溝正史」って気がするけど。今回も電子書籍。お買い得品だったような記憶があるけど、実際的に文庫本では手に入らない代物かも。 で、本書は横溝正史のエッセイ集。どこかの雑誌に連載されてい…

黒の試走車/梶山季之

『黒の試走車 (岩波現代文庫)』を読んだよ。50年ほど前の話。いわゆる企業小説という類で、代表的なものが取り上げられている文書に載っていたのが本書。企業小説といっても、また様々。本書は企業スパイをテーマにしたものと言っていいかも。舞台は1960年頃…

坊ちゃん/夏目漱石

『坊っちゃん 角川文庫』を読んだよ。明治時代の中村雅俊。夏目漱石の有名作。誰もが読んだことがある作品だよね。当然ながら、アッシも再読だけど、初読ははるか昔。中学生だったか、高校生だったか、あるいは小学生だったか。宿直でバッタに襲われるシーン…

旅路/藤原てい

『旅路 (中公文庫)』を読んだよ。何度読んでも壮絶。『流れる星は生きている』を読んだ時、満州からの引き揚げの壮絶さをいやというほど知らされた。いや、これは戦争の壮絶さと言った方がいいね。ほんの70年ほど前の日本人が体験したことだと考えると、今の…

48億の妄想/筒井康隆

『48億の妄想 (文春文庫)』を読んだよ。これだけ妄想できれば立派なもの。筒井康隆の長編処女作と言われている本書。単行本の初版が1965年というから、もうかれこれ50年ほど前になるわけ。時の筒井先生31歳。 で、分類的にはSFというか、奇想天外というか、…

美丘/石田衣良

『美丘 角川文庫』を読んだよ。人生に迷いなどない。作家石田衣良の作品はたぶん初めて。順序的には『池袋ウエストゲートパーク』から入るんだろうけど、まぁそれはいいか…。たまたま、電子書籍が安かったので。ということで、今回は電子版。題名の「美丘」…