夜のピクニック/恩田陸

夜のピクニック (新潮文庫)』を読んだよ。青春小説、読むのも辛い。

新潮文庫の『中学生に読んでほしい30冊 2014』をKindleでダウンロードして、パラパラ見ていた中からの1冊目。恩田陸は初見参だし、こういう青春長編小説は久しぶり。しかも、登場人物はすべて高校生!!
自分的には遠い昔の出来事なんだけど、高校生として生きるということには当時も今も変わらないはず。そんな思いで読んでみたわけ。

主人公は男女2名の高校生。二人の関係は微妙なんだけど、ビミョ〜とはちょっと違う。このニュアンスは読んでみなければ分からない。そして、そのシチュエーションは歩行祭という行事。夜中も含めて丸一日を歩き通すというもの。修学旅行の代替という設定だから、ちょっとした日帰り修学旅行的な要素も多分にある。
そして、歩きながら話すことは、基本的には恋愛話。さらに、夜になれば、疲れと暗さでそれが徐々に深い話になってくる。やっぱり、修学旅行だわ。

で、この微妙感を例えると、

そこに林檎があるとわざわざ口にしなくても、林檎の影や匂いについてちらっと言及さえしていれば、林檎の存在についての充分な共感や充足感が得られるのだ。<中略>しかし、時にどちらかが林檎の存在を口にしなければならないことがある。
という感じ。これは男子の友人同士の関係についてのシーンだけど、他者との関係での同様だよね。

長編なので、途中で中弛みの感があったけれども、終盤はちょっとした謎解き風な展開になり、一気にゴールという感じ。たまに、こういう青春小説もよんでみるものだなぁ〜。

夜のピクニック (新潮文庫)
夜のピクニック (新潮文庫)恩田 陸

新潮社 2006-09-07
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