神様のカルテ/夏川草介

神様のカルテ』を読んだよ。細君がいい。

これも長らくの積ん読本。多分、シリーズの初巻だからセールをしていたのだと思う。映画も公開されていたので、それで知っていたということもあったし。

物語の舞台は信州松本。そして、24時間365日体制を謳っている一般の病院。そこに勤務する医師、看護師の勤務は過酷だ。いや、そういうリアルな話ではなく、そのような環境下における人間ドラマがこの物語の本質。
主人公はその病院に勤務する医師。そして、その妻。当然ながら、その病院の同僚の多数を巻き込みながら、物語は進む。夫婦の住む下宿?の住人も事件を起こす。さらには、患者と医師のドラマ。

なんとなく森見登美彦に近い感じもしなくはない。主人公のセリフの言い回しとかが、哲学ぶっている感じとか。例えば、クリスマスイブを、

イエス・キリストの誕生日の前日だな」
とひねくれて言ってみたり。そんな感じが自分好みなんだけどね。そして、夏目漱石が好きだということになっているんだけど、漱石はこんなにひねくれぽかったっけ?

随所に医師らしいセリフも。

「本人にどう話すかを考えるんだ」
私は医者である。
治療だけが医者の仕事ではない。
とか。そして、患者の側からは、
病いの人にとって、もっとも 辛いことは孤独であることです。先生はその孤独を私から取り除いてくださいました。
と。そう、これがあるから、病院の物語はヒューマンドラマになりやすいんだろうね。

さて、シリーズの2巻に進むかは悩み中。ずっと悩み続けるような気がするけど。