2007-01-01から1年間の記事一覧

素数ゼミの謎

『素数ゼミの謎』を読んだよ。数学と生物学の見事なコラボレーション。アメリカに13年、あるいは17年に一度だけ大量発生するセミがいるという。大量発生の数も半端じゃない。50億匹だとか。想像を絶する数。しかも狭い範囲での発生だから、平均すると1平方メ…

日本人の矜持

『日本人の矜持』を読んだよ。藤原先生は久しぶり〜。副題に「九人との対話」とあるように、藤原先生の対談をまとめたもの。相変わらず、国語力の向上については力説。対談相手もすべての人が同意。アッシもそう思うし。新たなキーワードも出てくる。我慢力…

「日本人」という病

『「日本人」という病』を読んだよ。河合隼雄の日本人論。河合隼雄の幾つかの講演記録を一冊にまとめたものだよ。「震災後の復興体験」では、震災直後に暴動や略奪が起きなかったのは何故か?などをテーマに日本人の考え方がよく分かるよ。日本人はそれが当…

分数ができない大学生

『分数ができない大学生』を読んだよ。その根は深く、大きい。分数ができないってタイトルにあるけど、分数だけではなく、数学でできない大学生が大量発生し、そのまま社会に出ていくことの現状と警鐘を鳴らした本。 執筆者はいろいろだけど、俗にいう理学部…

流れる星は生きている

『流れる星は生きている』を読んだよ。壮絶なる満州引き上げの記録。作家・新田次郎の夫人、そして数学者・藤原センセーのご母堂である藤原てい氏の有名なこの作品をようやく読んだよ。新田次郎の作品も藤原センセーの作品も好きだったから、その背景として…

小学生に授業

『小学生に授業』を読んだよ。「課外授業ようこそ先輩」的。国際日本文化研究センターの教授陣が、近くの小学校に繰り出し、5、6年生に授業を展開したときの模様を本にしたもの。だから、冒頭の「課外授業ようこそ先輩」を思い出したわけ。登壇の先生は総勢9…

ダーウィンの「種の起源」

『ダーウィンの「種の起源」』を読んだよ。やっぱり訳本は読み難い。長谷川眞理子先生のダーウィン関連本はいくつか読んできたので、その先生の翻訳なら分かり易いかもと翻訳本に手をつけてみたけど、やっぱりダメ。機械的な翻訳になってしまうのは何故だろ…

高校生のための哲学入門

『高校生のための哲学入門』を読んだよ。この本を理解できる高校生は少なそう。そう、筆者も仮想の高校生を考えたが、結局万人に向けての本になったとか。でも、若者に読んでもらいたいという思いはアッシも同じ。まずは第1章「自分と向き合う」は衝撃的。そ…

雑学のすすめ

『雑学のすすめ』を読んだよ。清水センセーのお勉強エッセイは、どこまで続くんだぁ〜。Webサイトで連載されていたものを、一冊にまとめたもの。雑学の範囲は多岐に渡っているけれども、相変わらずイスラム教国を巡る世界史の分野は多いよ。「ピラミッドの謎…

大学の教育力

『大学の教育力』を読んだよ。大学って何を教えるところだろう。大学改革がメディアで言われるようになって久しいけれども、それは財政や経営的なものが多いような。そろそろ教育についての改革が注目されてもいいのではと思っていたけど、これだという目玉…

原発を考える50話

『新版 原発を考える50話』を読んだよ。チェルノブイリ原発事故から、もう21年。原発について知らないことが多過ぎる。ウラン、プルトニウム、軽水炉、高速増殖炉、原子力船むつ、プルサーマル計画etc。言葉は聞いたことがあるけれども、じゃ実際にどんなも…

すばる望遠鏡の宇宙

『すばる望遠鏡の宇宙』を読んだよ。理論の実証をすばるで。ハワイ島マウナ・ケア山頂(4205m)に建設されたすばる望遠鏡。その建設の歴史、構造と機能、そしてすばるを利用した研究の実績などを紹介した本だよ。写真もいっぱい。『わかる!宇宙と生命の不思…

最高学府はバカだらけ

『最高学府はバカだらけ』を読んだよ。アホ、バカの連発っていう本も珍しい。世間にあまり知られていない大学の内幕をレポートした本だよ。まずはバカ学生の実態レポート。想像を絶する…。そして、そのような学生を生んだ原因を探る。それは大学なのかそれ以…

わかる!宇宙と生命の不思議

『わかる!宇宙と生命の不思議』を読んだよ。第二の地球は確実に存在するね。ある天文学者が自分の甥に対して、宇宙について語るというシチュエーション。だから、丁寧に分かりやすく書かれているよ。図とかは少ないけど、文章で説明するのは難しい話なのに…

ある漂流者のはなし

『ある漂流者のはなし』を読んだよ。人間の生きる力とは…。2001年の夏、長崎県から銚子沖まで、小さな漁船で37日間漂流した武智さんのドキュメント。それにしても、壮絶な漂流記。漂流記と言えば、大黒屋光太夫の話を思い出すけど、こちらは現代。しかも単独…

生きて死ぬ私

『生きて死ぬ私』を読んだよ。茂木先生、若き日の原点。いつものように、これは哲学か?科学か?というような得体の知れない話。でも、そこが新鮮で面白い。自分の存在と死について、考えさせられる一文。私たちは、死後、自分が存在しなくなってしまうこと…

はじめの哲学

『はじめの哲学』を読んだよ。存在の冒険は遭難気味…。存在の国(今の世の中のこと)の「いちばん最初の根っこ」を探し出すことを、冒険になぞらえて語った本。存在の国の定義(広さ)から始まって、目指す目標(「いちばん最初の根っこ」を探すこと)の設定…

99・9%は仮説―思いこみで判断しないための考え方

『99・9%は仮説―思いこみで判断しないための考え方』を読んだよ。竹内薫の著作は、分かり易くて面白いよ。世界は仮説でできている…なんていきなり言われても、「なにそれ?」って思うかもしれないけど、まさに世の中は仮説だらけ、科学は万能じゃないって言…

春宵十話

『春宵十話』を読んだよ。数学者はエッセイがお好き?数学者・岡潔のエッセイ集。1963年に刊行された単行本の文庫版で復刊したもの。筆者の「教育は情緒である」という考えが本書で貫かれているように読めるよ。情緒は人間にしかない。しかしながら、戦後の…

闘う物理学者!―天才たちの華麗なる喧嘩

『闘う物理学者!―天才たちの華麗なる喧嘩』を読んだよ。筆者の竹内薫氏に興味。世界で名立たる物理学者同士の論争や、物理学者が戦った諸々の事象などをエピソードを中心にまとめた本。もちろん、物理学そのものも話題として解説されているから、物理学者を…

飛びすぎる教室―先生の雑談風に

『飛びすぎる教室−先生の雑談風に』を読んだよ。清水センセーのお勉強エッセイは教科の枠を越えて…。「先生の雑談風に」という副題にあるように、教科書に出ていない話題を先生の雑談風にまとめたもの。教科書通りじゃなくて、ちょっとした先生の雑談て、結…

歴史家の自画像―私の学問と読書

『歴史家の自画像―私の学問と読書』を読んだよ。阿部先生、最後の上梓。主に読書に関する筆者のインタビュー、講演、論文、エッセイをまとめた本だよ。前半のインタビューは、寛いだ感じで阿部先生が答えているので、読みやすく親しみやすい感じ。そして、「…

縦糸横糸

『縦糸横糸』を読んだよ。テーマは日本人論?新聞に連載されていた河合隼雄のエッセイ集。その時々の時事から話題を選んで論じているよ。キーワードは、子育て、教育、科学技術、文化社会、宗教など。1996年からのエッセイなんだけど、子供が絡む事件が多い…

村上春樹、河合隼雄に会いにいく

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』を読んだよ。河合隼雄に興味。タイトルの通り、作家・村上春樹と心理療法家・河合隼雄の対談集。対談集なんだけど、それぞれのコメントが頭注と脚注に付けられていて、どうも読み難い本だよ。読み方に工夫がいるかも。村…

ウェブ人間論

『ウェブ人間論』を読んだよ。ウェブって、人間の生き方まで変えられるのかなぁ〜。『ウェブ進化論』の筆者・梅田望夫と作家・平野啓一郎の対談集。作家というと文系の代表でIT系に疎いというイメージがあるから、対談の相手としてはよかったかも。でも、平…

戦争遺産探訪 日本編

『戦争遺産探訪 日本編』を読んだよ。季節柄、戦争について考える。日本各地に残る戦争のために作られた建物、構築物、鉄道等の残骸をレポートした本。意外なところに意外なものが残っていてビックリ。 特にアッシの職場近くは皇居が近いこともあって、いろ…

独断流「読書」必勝法

『独断流「読書」必勝法』を読んだよ。清水センセーの文学講座。内外の小説を筆者独自の視点からあれこれと語ったもの。例によって、西原画伯の絵が強烈。まずは海外作品。アッシ的には殆ど読んでいない。『ロビンソン・クルーソー』だけか。民俗的な知識が…

やっとかめ探偵団と殺人魔

『やっとかめ探偵団と殺人魔』を読んだよ。清水センセーの推理小説だがや。ちょっと前にNHKのTV番組「課外授業 ようこそ先輩」に清水センセーがご出演していたよ。それを見て、また清水センセーの著作が読みたくなり、番組の冒頭で紹介された本書を借りてき…

理系白書 この国を静かに支える人たち

『理系白書 この国を静かに支える人たち』を読んだよ。サブタイトルがいいねぇ〜。サブタイトルは〜この国を静かに支える人たち〜。「静かに」という副詞が何とも言えず理系の性質を現しているようで、何とも言えず嬉しくなる。で、本の内容。日本社会は何事…

森林からのニッポン再生

『森林からのニッポン再生』を読んだよ。山村暮らしに憧れはあるけど〜。日本の森林を取り囲み、様々な視点から森林を語る本だよ。単なる自然学ではなく、どっちかというと社会学系の本かも。だから、森林というより、林業をイメージしたほうがいいかも。森…