90文学

強力伝・孤島/新田次郎

『強力伝・孤島 (新潮文庫)』を読んだよ。新田次郎の原点。新田次郎の初期の短編集で全六話。そのうちの「強力伝」は直木賞受賞作って、新田次郎って直木賞作家だったんだね。 さて、その六つの短編。どれも個性に飛んでいて、派手さはないけれども、実直に…

零式戦闘機/柳田邦男

『零式戦闘機』を読んだよ。技術者魂の物語。柳田邦男氏の著作を定期的に読んでいるけれども、今回も飛行機関係。それもさらに時代が遡り、戦前の話。だから、旅客機の話ではなく、戦闘機。そして、その名は「ゼロ戦」。正式には「零式艦上戦闘機」というら…

グラスホッパー/伊坂幸太郎

『グラスホッパー (角川文庫)』を読んだよ。殺し屋の世界を垣間見る。自分的には初の伊坂幸太郎作品。どうしてこの作品になったのかというと、本屋の平台によく置かれていたので、目にすることが多かったから。単にカドカワ戦術にはまったのか。 amazonの解…

日本の異界 名古屋/清水義範

『日本の異界 名古屋 (ベスト新書)』を読んだよ。異界っていうより…。清水センセーの名古屋モノにはすぐに飛びつきたくなる悪い?癖のある自分。今回も本屋の平台で見つけた時はすぐにチェック。意外?にも、図書館では予約があり、近頃名古屋ブーム?という…

やっとかめ探偵団/清水義範

『やっとかめ探偵団 (光文社文庫)』を読んだよ。文字にできない名古屋弁。この『やっとかめ探偵団』はシリーズ化していて、本書が第1弾ってこと。でも、以前に『やっとかめ探偵団と殺人魔』を読んでいたので、自分的には第2弾。そして、相変わらず名古屋弁が…

神々の午睡/清水義範

『神々の午睡 (講談社文庫)』を読んだよ。人類最大の発明か。タイトルから類推するに、いろいろな神様が登場してちょっとした事件から大事件まで起こして、さてどうなるやら…という感じかなと読み始めたけど、筆者が清水センセーだったことをすっかり忘れて…

夢をかなえるゾウ2/水野敬也

『夢をかなえるゾウ2 文庫版』を読んだよ。幸子さんがステキ。前作『夢をかなえるゾウ』を読んだのははるか昔の話。その第2弾が出ていたのは知っていたけれども、文庫版まで待とうかなということで、本書。それでも、図書館では予約しないと読めない状況。こ…

青い鳥/モーリス・メーテルリンク

『青い鳥 (講談社文庫)』を読んだよ。寓話って何だろう。モーリス・メーテルリンク作のこの作品。原作は戯曲として書かれたものを江國香織氏が「物語」として訳し直したものが本書。戯曲としての作品を読んだことがないから、自分的には初『青い鳥』。多分、…

沈黙博物館/小川洋子

『沈黙博物館 (ちくま文庫)』を読んだよ。永遠なのか…。小川洋子氏の不思議な世界、再びという感じで本書。「博物館」というキーワードにも惹かれたんだけど、Kindleの積読本でもあったから。主人公は博物館に勤める「僕」。学芸員かなとも思ったけど、「技…

レインツリーの国/有川浩

『レインツリーの国 (角川文庫)』を読んだよ。おじさんでも楽しめる。『図書館戦争』シリーズの第2弾である『図書館内乱』に登場する『レインツリーの国』という小説。この小説が本書であることはいうまでもないけれども、小説としてのこういう構成って何と…

ジョージ・オーウェル「一九八四年」への旅/清水幾太郎

『ジョージ・オーウェル「一九八四年」への旅』を読んだよ。未来小説ではなかった…。『一九八四年』を読んでから、その関連書籍として気になっていた本書。「清水幾太郎」という著者名に怖気づいていて、手が出なかったんだけど、大型連休を前に、たまには堅…

日本ジジババ列伝/清水義範

『日本ジジババ列伝 (中公文庫)』を読んだよ。想像できる老後。本書の解説にも書いてあったけど、清水センセーの小説には老人が登場することが多いような気がする。そして、その老人たちが何の違和感もなく、生き生きと描かれていて、清水センセーは老人の気…

青の数学/王城夕紀

『青の数学 (新潮文庫nex)』を読んだよ。青春小説。新潮文庫から新しいブランドnexというのが登場。青少年対象ものを中心に展開しているみたいだけど、その中で8月に出たのが本書。自分的には単に「数学」という文字に惹かれただけ。あと、新ブランドの目新…

億男/川村元気

『億男』を読んだよ。お金があれば幸せか?気になる作家の川村元気。手始めはこの本から。と言っても、図書館の予約無しで読めたのが本書だけだったからなんだけど。世の中には、お金と幸せのどっちが先か…なんていう鶏と卵風の議論があるけれども、本書のテ…

山女日記/湊かなえ

『山女日記 (幻冬舎文庫)』を読んだよ。登山は人生に似合う。湊かなえは初めてだけど、この本が出ていなければ、読むことはなかったかも。単行本の時から気になっていたんだけど、図書館では長期満員御礼状態。確か、単行本が出た時は同時に『八月の六日間』…

キッチン/吉本ばなな

『キッチン』を読んだよ。印象に残らない小説。吉本ばななのデビュー作ということで、積読状態だった本書。気になってはいたんだけど、読む気にならないっていう感じ。amazonの内容紹介では「世界各国で読み継がれるベストセラー」と書かれているので、期待…

わしらは怪しい探険隊/椎名誠

『わしらは怪しい探険隊 (角川文庫)』を読んだよ。怪しくはないけど、うるさそう。椎名誠の原点的作品と言えば、本書か『さらば国分寺書店のオババ』のどちらか。自分的には『オババ』かなぁという感じはする。読後の衝撃感が違うから。とは言え、本書はその…

海の底/有川浩

『海の底 (角川文庫)』を読んだよ。有川版ゴジラ。有川浩の自衛隊三部作の第三部が本書。三部作のうち、本書が一番の痛快劇かも。それなりに実態のある敵が現れるからかな。有川版ゴジラだと思ったのは、そういう意味。三部目に登場する自衛隊は海上自衛隊。…

ツナグ/辻村深月

『ツナグ (新潮文庫)』を読んだよ。使者と死者。新潮文庫が出している『中学生に読んでほしい30冊 2014』という小冊子。不定期にここから1冊ずつ選んで読んでいくつもり。とは言え、不定期だから、本書でやっと2冊目。完読するのはいつになることやら。筆者…

陰陽師/夢枕獏

『陰陽師(おんみょうじ): 1』を読んだよ。安倍晴明、カッコイイ。歴史ものは漢字が多いという理由だけで、敬遠気味だったけれども、kindle本でセールをしていた時に購入しておいた本書。映画やテレビドラマにもなっていたし、ちょっと気になっていたから。…

天国までの百マイル/浅田次郎

『天国までの百マイル』を読んだよ。人生は理屈じゃない。母親ひとりに子供が4人。無事に育て上げて、それぞれが独立してある程度の社会的地位に立つ。自分たちの生活が中心になると母親の存在が希薄になっていく。そんな背景の中で主人公である安男の生き方…

月世界へ行く/ジュール・ヴェルヌ

『月世界へ行く (創元SF文庫)』を読んだよ。科学がいっぱい。『地底旅行』に続いて、ジュール・ヴェルヌ。時は186X年という想定だから、かれこれ150年以上も前のこと。その時代に月に行こうという3人の冒険野郎の物語。 ただ、冒険野郎と書いてしまったけれ…

空白の天気図/柳田邦男

『空白の天気図―核と災害1945・8・6/9・17 (文春文庫)』を読んだよ。ヒロシマをもっと知る。このところ、自分的には柳田邦男氏のノンフィクションがお気に入り。淡々と事実を積み重ねながら、推論を導いていくということが楽しいのかも。ということで、今年…

O嬢の物語/ポーリーヌ・レアージュ

『O嬢の物語 (角川文庫)』を読んだよ。フランス文学…。これは…何ともコメントしようがない。文学とはこういうものであると言われれば、それまでだし。肉体を超えた精神面を抉り出した作品というのは簡単だけど、それ以上の何かがあるんだろうね、きっと。文…

昭和御前試合/清水義範

『昭和御前試合 光文社文庫』を読んだよ。清水義範の原点。作家清水義範を知ってかれこれ30年。折に触れて清水氏の作品を読み続けているけれども、デビュー作を読んでいないということが最近判明。ということで、デビュー作品と言われている本書。パロディー…

地底旅行/ジュール・ヴェルヌ

『地底旅行 (創元SF文庫)』を読んだよ。岩石がいっぱい。小学生の時に読んだけど、内容はすっかり忘れていた。でも、当時は地底旅行に憧れて、友達はゲームまで作っていた。称して「地底旅行ゲーム」。単なる立体すごろくなんだけど。で、本書。 前半は地底…

続・マッハの恐怖/柳田邦男

『続・マッハの恐怖 (新潮文庫)』を読んだよ。それでも空を飛びたい。文字通り、『マッハの恐怖』の続編。とは言え、前編を読んでいなくても、本書単独で完結した内容なので、十分に読み応えのあるものになっているよ。ページ数も591頁と前編にも増して膨大…

貴婦人Aの蘇生/小川洋子

『貴婦人Aの蘇生 朝日文庫』を読んだよ。不思議な物語。小川洋子の小説は『博士の愛した数式』以来2冊目。2冊目に本書を選んだのはたまたま。確かamazonでkindle本がセールされていたからだったと思う。主人公は伯母さんにあたる貴婦人Aと一緒に住むことに…

戦国自衛隊/半村良

『新装版 戦国自衛隊 角川文庫』を読んだよ。多元宇宙の世界。何年も前のことだと思うけど、映画になったことがある本書。角川映画全盛の時代だったかなぁ〜。歴史モノにそれほど興味があったわけではないので、特に気にはしていなかったんだけど、きっかけ…

きまぐれロボット/星新一

『きまぐれロボット (角川文庫)』を読んだよ。ショートショートショート。以前にも書いたけど、星新一と言えば、自分的には中学時代を思い出す。本屋に行けば、必ず星新一のコーナーに立ち寄ったっけ。夢中になって読んだよなぁ〜。今から思うと、文章がそれ…