2013-01-01から1年間の記事一覧

生きていく民俗/宮本常一

『生きていく民俗 ---生業の推移 (河出文庫)』を読んだよ。生きるって大変。『忘れられた日本人』をひょっとしたことから知り、読み始めた宮本常一氏の著作。民俗学って特に興味があるわけではなかったけど、日本人の原点っていうか、我々の先祖はどうやって…

白きたおやかな峰/北杜夫

『白きたおやかな峰 (河出文庫)』を読んだよ。結末を知りたい…。北杜夫の名は子供の頃から知っていたけど、どくとるマンボウとかのイメージしかなくて、何だか子供っぽいなぁ〜と思っていたので、この年まで読んだことがなかった。でも、北杜夫の著作の中で…

笑うに笑えない大学の惨状/安田賢治

『笑うに笑えない 大学の惨状(祥伝社新書)』を読んだよ。笑っている場合じゃないんだけど…。この手の大学ギョーカイに関する本は、最近ラッシュ気味。どの本を読んでも、どの大学もいろいろなことをやっているのが分かるんだけど、どれもが小手先論の域を出…

村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?/村山斉,高橋真理子

『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ビッグバンからヒッグス粒子へ (朝日新書)』を読んだよ。書籍らしからぬタイトル。『宇宙は何でできているのか』の村山斉氏と朝日新聞編集委員の高橋真理子氏との宇宙対談集。『宇宙は何でできているのか』は後…

素数の音楽/マーカス・デュ・ソートイ

『素数の音楽 (新潮文庫)』を読んだよ。永遠に解決しないのか…。数学読み物と言えば、サイモン・シン&青木薫のペアと決まっていた感があったけれども、このところ、別のペアが出してきているよね。新潮文庫も、Science & Historyというシリーズを出してい…

空気と戦争/猪瀬直樹

『空気と戦争 (文春新書)』を読んだよ。2冊の本のまとめだけど。東京オリンピックが決まって、ノリに乗っている感じの東京都知事の猪瀬直樹氏。と思ったら、最近の話題はコケ気味…。それはともかく、本書の内容はアッシ的には何となく読めていたんだけど、読…

図書館内乱/有川浩

『図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2) (角川文庫)』を読んだよ。図書館の内乱ではなく、国の内乱だった…。図書館戦争シリーズの第2弾。第1弾からさらに新しいメンバーを加えて、図書館の自由を守ろうとする図書隊が活躍する。主人公の笠原郁はますます地を…

おのぞみの結末/星新一

『おのぞみの結末』を読んだよ。今、読んでも新鮮。ご存じ星新一のショートショート集。多くの少年少女たちが読みまくったはずの星新一。アッシもご多分に漏れずその口で、中学生の頃に読みまくったっけ。だから、再読ってことになるんだけど、ショートショ…

総会屋錦城/城山三郎

『総会屋錦城 (新潮文庫)』を読んだよ。昭和の香り…。以前に読んだ本に、幾つかの経済小説が紹介されていて、その中の一つだったのが、この『総会屋錦城』。経済小説っていうか企業小説という紹介だったかも。以前に読んだ『マグマ』もその繋がりだったから…

大人のいない国/鷲田清一,内田樹

『大人のいない国 (文春文庫)』を読んだよ。大人になったつもりでいたけど…。本書は、鷲田清一氏と内田樹氏の対談を2本含む、二人の「大人論」と言ったところ。ここでいう「大人」とは、社会的に成熟しているという意味での「大人」。肉体的には立派な「大人…

宇宙はなぜこのような宇宙なのか/青木薫

『宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 (講談社現代新書)』を読んだよ。人間原理、分からん。科学読み物の翻訳では多くの本を出している青木薫氏。その翻訳には定評があり、アッシ自身、何冊も青木氏の翻訳本を読んでいるよ。そう、その読みや…

レイヤー化する世界/佐々木俊尚

『レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)』を読んだよ。“テクノロジーとの共犯”って…。ITと社会についての著作が多い佐々木俊尚氏。副題に“テクノロジー”という単語が入っているから、今回も同様のテーマかと思ったが、意…

勝負強さ/井端弘和

『勝負強さ (角川oneテーマ21)』を読んだよ。井端の情報って少ないから。ご存じ今年のWBCで活躍した中日ドラゴンズ・遊撃手の井端弘和選手。山本監督をして、「神様、仏様、井端様」と言わせた大仕事は記憶に新しいけれども、結局、これが本を出すきっかけに…

代替医療解剖/サイモン・シン,エツァート・エルンスト

『代替医療解剖 (新潮文庫)』を読んだよ。代替だったんだ…。ご存知、サイモン・シンの科学読み物。今回は医療ということで、より正確を期すためにエツァート・エルンストという医師との共著になっているよ。そして、訳者はこちらもご存知青木薫氏。読むのが…

食える数学/神永正博

『食える数学』を読んだよ。一応、食えています。数学読み物にしては異色のタイトルの本書。文字通り数学を食べてしまおうというわけではなく、数学で食っていけるか(生計を成り立てていけるか)というのが主旨。ただ、この表現は多少のニュアンスの違いが…

新編 単独行/加藤文太郎

『新編 単独行 (ヤマケイ文庫)』を読んだよ。竹内洋岳氏との違い。昔々に、新田次郎の『孤高の人』を読んだことがあったけど、その原点というべきものが本書になるのかな。『孤高の人』も新田氏の詳細な取材のものと書かれているんだけど、何と言っても本人…

箸の上げ下ろし/酒井順子

『箸の上げ下ろし (新潮文庫)』を読んだよ。やっぱり視点は酒井順子。女流鉄オタから始まっているアッシの酒井本読書。軽妙なトークが好きで、鉄オタ以外の本も所望していたんだけれども、何故か自宅に一冊あった。それが本書。 もともとは、雑誌『きょうの…

頂きへ、そしてその先へ/竹内洋岳

『頂きへ、そしてその先へ』を読んだよ。プロ登山家らしく。プロ登山家・竹内洋岳氏の本、3冊目。3冊とも比較的最近読んだから、以前の2冊と重複する部分が多いよ。でも、まずは竹内洋岳氏を知るにはちょうどいい1冊。エッセイ風だし、一つ一つの話が1頁に収…

椿山課長の七日間/浅田次郎

『椿山課長の七日間 (朝日文庫)』を読んだよ。人生をありがとうって言って終われるか。初めてのkindle本で、浅田次郎もお初。ある日、kindleの日替りセールで本書が何と199円。たまたま、ギフトカードを買っていたので、思わず1ーClickで買ってしまった。で…

果つる底なき/池井戸潤

『果つる底なき (講談社文庫)』を読んだよ。現代ミステリーだったんだ…。TVドラマで話題になっている「半沢直樹」。このドラマを見てはいないけど、筆者の池井戸潤をいう作家は気にかかる。そういう時は大抵デビュー作から漁ってみるのがアッシ流。単に話題…

塩の街/有川浩

『塩の街 (角川文庫)』を読んだよ。これってライトノベルなのか?『図書館戦争』繋がりで有川浩氏。世間ではライトノベルにカテゴライズされているみたいだけど、普通の小説と変わらない気がするけど…。そう、あとがきには「大人のライトノベル」という表現…

「無限」に魅入られた天才数学者たち/アミール・D.アクゼル

『「無限」に魅入られた天才数学者たち』を読んだよ。「無限」は直観の世界を超える。科学読み物の翻訳では第一人者の青木薫氏の訳。だからこそ、信頼して手に取ることができるよ。信頼してというのは、難しすぎて、途中で投げ出さずに、読み切ることができ…

初代 竹内洋岳に聞く/塩野米松

『初代 竹内洋岳に聞く (ちくま文庫)』を読んだよ。登山に対する思いが伝わる。作家で聞き書きの名手と言われている塩野米松氏がプロ登山家の竹内洋岳氏をインタビューし、その様子をまとめたもの。インタビューなので、聞き手との会話があるはずなんだけど…

漂流記の魅力/吉村昭

『漂流記の魅力 (新潮新書)』を読んだよ。若宮丸の場合。『おろしや国酔夢譚』や『大黒屋光太夫』で漂流記の魅力を知ったアッシ。その後は、漂流物を見つけては、読んでいるわけ。本書も図書館で見つけてからは、要チェックということで、今回やっと読了。 …

池上彰の政治の学校/池上彰

『増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)』を読んだよ。知ってみるとなかなか面白い。初版の発行が2012年9月だから、ちょうど衆議院選挙で自民党が圧勝した後の頃。その時期をベースに今の日本の政治について解説し、日本はこれからどういう政治をすべきかを、…

左腕の誇り/江夏豊

『左腕の誇り―江夏豊自伝 (新潮文庫)』を読んだよ。江夏ってそんなに凄かったんだ。副題が「江夏豊自伝」。そう、昭和42年から同59年までプロ野球で活躍したあの江夏豊の自伝。自伝とは言っても、波多野勝氏がインタビューなどから構成したもののようだよ。…

この国のかたち〈6〉/司馬遼太郎

『この国のかたち〈6〉1996』を読んだよ。海軍の成り立ちも様々。司馬遼太郎の「この国のかたち」シリーズも本書で完結。チビチビ読み続けたけど、何年かかっただろ。当初は幕末から明治期の日本史を知ることだけでも楽しかったけど、本書はそれだけでなく、…

風景は記憶の順にできていく/椎名誠

『風景は記憶の順にできていく (集英社新書)』を読んだよ。ノスタルジーにも新たな発見。『小説すばる』に掲載された「風景進化論」をまとめたもので、作家・椎名誠が過去に見たあちこちの風景を再度訪問することでその進化の具合(場合よっては退化だったり…

バカ学生に誰がした?/新井立夫,石渡嶺司

『バカ学生に誰がした? - 進路指導教員のぶっちゃけ話 (中公新書ラクレ)』を読んだよ。視点を変えてみる…。『最高学府はバカだらけ』以来、大学ギョーカイを伝えるジャーナリストとしては有名な石渡嶺司氏。今回もキーワードに「バカ学生」を使ってキャッチ…

図書館戦争/有川浩

『図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫)』を読んだよ。まさに作家の妄想…。アッシがいつも利用している公共図書館。そこがいつの間にかメディア良化委員会という組織に襲撃されようとしている時代。それは検閲の強化という名において正当化されて…