縦走路/新田次郎

縦走路 (新潮文庫)』を読んだよ。メロドラマか?

『火の島』に続き、また新田次郎。文庫版が絶版にならないうちにとは思うけど、本書は何度も版を重ね、今のところ大丈夫そう。

主な登場人物は、男女2人づつの計4人。しかも、妙齢の4人だから、話は必然的に恋愛がらみになってくる。さらに悪いことに、女子が邪悪で、男子が純粋。だから、男子が女子に翻弄されることになるわけ。

そして、同性同士の関係。
女子同士の駆け引きがテクニカルと言うか心理戦と言うか、非常に女子っぽい。逆に男子同士は正面切ってというか単純なぶつかり合いで、いかにも男子っぽいよ。

そんな人間的なシチュエーションの中で、登山のシーンを織り交ぜてくる。冒頭の立山から始まって、奥多摩のつづら岩、丹沢の沢登り。そして表題となった八ヶ岳の冬期縦走は、ちょっとした登山記録になるほどの詳細さ。

新田次郎の山岳小説だと思って読むと、ちょっと違うと思うかもしれないけど、新田次郎の恋愛小説だと思うと、何となく納得できるかもしれないよ。うん、その意味をどう表現したらいいのだろ。何となくのイメージなんだけどね。

縦走路 (新潮文庫)
縦走路 (新潮文庫)新田 次郎

新潮社 1962-07-12
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