森の暮らし、森からの旅/加藤則芳

森の暮らし、森からの旅―八ヶ岳山麓だより』を読んだよ。あこがれの森の生活。

筆者の加藤則芳氏の著作は『ぼくのペンションは森のなか』から始まって、幾つも読んできたよ。そして、今回は八ヶ岳ものの一冊。月刊雑誌『月刊リゾート物件情報』に連載されていたものをまとめたもの。タイトル的には別荘地の広告雑誌っぽいけど…。
『ぼくのペンションは森のなか』八ヶ岳の中でも南東山麓の大泉高原。行政区は山梨県北杜市。以前の大泉村。そして、今回の舞台は南西山麓の富士見高原。行政区は長野県富士見町。ペンション村がある原村の南隣という感じ。

で、内容はエッセイ集。四季ごとの八ヶ岳の森の様子を中心に綴ったもの。その一つ一つが何とも加藤氏の人間味が溢れ、まるで加藤氏のコテージに居て、氏の話の聞いているかのように感じる。何とも不思議な感覚。

まずは、春。

緑という色が驚くほどたくさんあるものだと、感嘆するのもこの季節です。
あ〜、この感覚って普通の生活では全くないような…。自分レベルだと、新緑の季節かそれ以外しか見分けがつかないかも。多少は自然に理解がある自分だと思っていたけど、情けない。

夏は省略して、秋。

釣りや山菜採り、きのこ狩りなどとともに、季節の光や風の匂いや色を、そして季節の移ろい自体を楽しむことを、ぼくは“季節遊び”と名づけています。そして、ぼくの季節遊びを楽しむ最適な季節が春であり秋なのです。
いいなぁ、季節遊び。都会でもできないことはないけれども、やっぱり楽しさが違うだろうなぁ〜。

そして、最も印象的な冬。

ところが、ぼくの冬の北八ヶ岳歩きは、クロスカントリー・スキーなのですが、あえていうと、そぞろ歩き、にどうも近いようなのです。漫歩というよりむしろ「逍遥」に近いものです。
クロカンっていうと、ひたすら漕ぐっていう感じがしなくもないけど、それが加藤氏にかかると「逍遥」になる。花も咲いていないのに、気ままな散歩。冬だからこそ、楽しめるのかもしれないね。

本当の森の生活は無理そうだから、ソローの『森の生活』をそろそろ読んでみようかななんていう気分になりました〜。

森の暮らし、森からの旅―八ヶ岳山麓だより
森の暮らし、森からの旅―八ヶ岳山麓だより加藤 則芳

平凡社 2002-07
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