真説 金田一耕助/横溝正史

真説金田一耕助 (角川文庫 緑 304-63)』を読んだよ。「真説 横溝正史」って気がするけど。

今回も電子書籍。お買い得品だったような記憶があるけど、実際的に文庫本では手に入らない代物かも。
で、本書は横溝正史のエッセイ集。どこかの雑誌に連載されていたもののようだよ。横溝正史と言えば金田一耕助。だから、エッセイの内容も金田一耕助絡みのものが多いわけ。そして、そんな話をエッセイとして読んでみると、金田一耕助が実在の人物に思えてくるから、あ〜ら不思議。金田一耕助の年収だとか、年齢だとかが話題になっていくる余計にそう感じるよね。例えば、

これは原作にない場面だが、そういえば金田一耕助の収入はどうなっているのだろうと、私は目下調査中である。
と言う横溝先生。やっぱり、リアリティあるよなぁ〜。

そして、終戦時の横溝先生の思い。

そうなったら今度こそ本格探偵小説なるものを書いてみようと決心していた私は、昭和二十年八月十五日の正午、ラジオで修正の詔勅を聴いた瞬間から、トリックの鬼に化したといっても過言ではない。
と言う。誰もが一気に自由になり、そんな思いを爆発させた日だったのかもしれないね。
探偵小説についても、一言。
ここで断わっておくが、本格的探偵小説は二度読むべしというのが私の主張である。
と。これはよく分かる。一度目は物語として読み、二度目は物語の構造を楽しむといったところか…。なんとなく理系っぽいよね。

あのオドロオドロしい物語からは想像できないような人間味あふれる横溝先生満載の一冊でした〜。

真説金田一耕助 (角川文庫 緑 304-63)
真説金田一耕助 (角川文庫 緑 304-63)横溝 正史

角川書店 1979-01
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