天国にいちばん近い島/森村桂

天国にいちばん近い島 (角川文庫)』を読んだよ。冒険の書

ず〜っと気になっていた本書。昔から知っていたし、映画にもなった。もっとも映画は本書の後編という位置づけで、原田知世の為の映画だったのかも。文庫本は絶版になり、図書館か古本屋でしか入手できない状況のよう。今読んでおかないと読めなくなるかも…という思いが募り、図書館へ。案の定、閉架にあったし。

本書が書かれたのは昭和40年。生まれてはいたけど、そんな昔にお嬢様のこんな冒険の書があったとは…。でも、どれだけ昔かというとピンと来ないかもしれないね。米ドルが360円の時代。自由に海外にも行けなかった時代。大卒の初任給が1万円代の時代。そんな時代に18万円を握りしめ、ニューカレドニアに渡った24歳の女性がいた。それが筆者の森村桂氏。

では、どんな旅だったのか?
往路の船では日本人の乗組員がいたから心細さは無かったけど、現地に着くといきなり不安なことばかり。社会的な事情もあったりするんだけど、もっとショックなのは、天国にいちばん近い島とは思えなかったこと。だから、もうすぐにでも帰りたくなったりして。

それでも様々な困難を乗り越えて、徐々に現地の生活に溶け込んでいく。そして、ある日本人との出会い。その交流の中で、

それにしても、英語のほんのかたことしか通じないこの人たちとの会話。それが、あの同じ日本語を話す青木氏たちとのおかしな会話よりも、ずっと通いあうものがあるなんて、いったいどういうことなのだろう。
という筆者の思い。よくあるパターンかもしれないけど、コミュニケーションは言葉ではないってことだよね。だから、人間って不思議。

今はすっかり観光地になってしまった感じのニューカレドニア。筆者が二度目の来訪をしなかった理由は何なのだろう。知りたい気がするなぁ〜。

天国にいちばん近い島 (角川文庫)
天国にいちばん近い島 (角川文庫)森村 桂

角川書店 1994-04
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