蹴りたい背中/綿矢りさ

蹴りたい背中』を読んだよ。蹴りたくなるんだろうなぁ〜。

綿矢りさ芥川賞受賞作品。それが2004年だから、もう10年以上も前なのか…。金原ひとみと同時受賞ってことで、話題になったのをよく覚えている。当時19歳という年齢も印象に残ったよね。

主人公は女子高校生。だから、いわゆる青春小説なんだけど、爽やかではなし。ちょっと変わった男子との微妙な恋愛感情もあるけど、ドキドキするような関係でもないし。

そして、同性の友人との関係も微妙。中学校で一緒だった友人は高校では別のグループに交ざりたがる。自然に主人公はボッチ状態。それでも、

どうしてそんなに薄まりたがるんだろう。同じ溶液に浸かってぐったり安心して、他人と飽和することは、そんなに心地よいものなんだろうか。
と、いたって冷静な主人公。

「にな川」と名の男子との関係は最後まで微妙。

好き、という言葉と、自分がにな川に対して抱いている感情との落差にぞっとした。
という思いが彼への感情を表しているんだろうけど、その感情そのものが本書に通底するものなんだよね。

いや、こういう小説も楽しいわけで、また読みたい本が増えるという嬉しい悲鳴です〜。

蹴りたい背中
蹴りたい背中綿矢りさ

河出書房新社 2007-04-20
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