僕って何/三田誠広
『僕って何 (河出文庫)』を読んだよ。今も昔も。
なんだか懐かしい本。たぶんだけど、何十年も前に読んだことがあったと思う。単行本の初版が1977年だから、今から思えば、大昔だなぁ。
なぜまた読みたくなったのか?それは完全に気分の問題。単なるノスタルジーなのか、あるいは昔の若者の気分に浸りたかったのか。
そうそう当時、新進気鋭の作家だった三田誠広氏も、最近の著作で近影を見ると、すっかりオジサンになったなぁ〜という印象。あぁ、余計なことを書き過ぎた。
さて、小説なので、詳しいストーリーは書かないけど、この小説の根幹は、
ひとりひとりの人間に対しては親しみをもてるのに、それが集団となり、とらえどころのない“組織”を構成し、強大な“力”をもつということになれば、もはや“B派”は僕にとって、何が何だかわけのわからない異物としかいいようがないのではないか―。という文章が表現しているような気がするよ。
そして、最後は、
このやっかいな“僕”というものを、いったいどこに運んでいけばいいのだろう。となる。まさに「僕って何」なんだけど。
組織と個人の関係によって、社会は成り立つ。でも、本来は個人の立場で考えるのが、人間というものだよね。いや、学生だからこそ、そういう発想ができるのかも。うん、学生時代っていいよなぁ〜。
僕って何 (河出文庫) | |
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