タイム・マシン/H・G ウェルズ
『タイム・マシン ウェルズSF傑作集』を読んだよ。人類はどこに行くのか。
SFの古典作家H・G ウェルズの作品集。そして、表題作の『タイム・マシン』が中編として本書のほとんどを締める作品。SFの古典と言えば、自分的にはジュール・ヴェルヌ。『十五少年漂流記』は別枠として、八十日間世界一周とか地底旅行とか、子供のころに読んだっけ。いや、今回はH・G ウェルズだった。そう、ジュール・ヴェルヌと双璧なんだと思ってはいたけど、機会に恵まれず、今回が初読。
で、その『タイム・マシン』。
主人公はタイム・トラヴェラーと名付けられ、自ら発明したタイムマシンに乗って、80万年後の世界に旅立つ。そこで見たものは…という感じ。
ちょっとだけ書いてしまうと、二種類の種族がいて今の人類の究極の二極化という感じかな。もっと言うと、人類が行き着いてしまったその先にあったもの…とでも言うべきか。
物語の中で、タイム・トラヴェラーはこの未来世界がどうして生まれたのか、試行錯誤するんだけど、ちょっとだけ本音を見せたりする。例えば、
思えば、この何年というものを研究と作業についやして未来世界へ入りこんだのだが、いまや夢中になってそこから逃げだそうとしているのだ。ぼくは自分で自分にわなをかけたようなものだ。なんて言ったりする。
そして、未来世界に生存した二つの種族を見て、
変化もなく変化の必要もないところでは、知能は生まれない。さまざまの困難や危険にたちむかわなければならない動物だけが、知能を授けられるのだ。なんてことを考えたりする。
やっぱり、人間は切磋琢磨しなくなってしまうのだろうか。やだなぁ、そんな人間。いや、それは人間とは言えない存在なのかもしれないね。人類の滅亡や如何に…。
タイム・マシン ウェルズSF傑作集 | |
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