八月の六日間/北村薫
『八月の六日間』を読んだよ。おやつ装備に興味津々。
去年の春に山にまつわる小説が2冊出て、どちらも人気作家だったので、図書館ではいきなり予約多数。1年を過ぎて落ち着いたところでやっと借りられたのが、そのうちのこの本。小説には関係ないけど、筆者の北村薫って男子だったのね。
本書は、KADOKAWA系の小説誌2誌に掲載された5つの話が連作になっていて、それをまとめたもの。連作なので主人公は一人だし、それぞれの話が少しづつ関連しあってもいる。当然ながら、舞台は山。山っていうより、主人公の山旅が舞台かな。それでも、山に行く前の前段話もあるわけで、アラフォー独身女子のいろいろ話もあるわけ。
で、五つの山旅は、その季節、期間、場所とも違うわけだけど、最後はヨロヨロ、ヘロヘロで下山するのは共通。読んでいる方はハラハラするわけで、それが小説の手法になっているのかもしれないけど、大丈夫かぁ〜と毎回。そんなピンチに必ず登場するのが、主人公が山に持参するいくつものおやつ。あぁ、女子っぽいけど、これで回復するわけだからね。
最後に、主人公が北アルプスの稜線を歩いた時の思いを引用。
想像を絶するほど美しいものを見ている――見続けているという幸福と、身を揺すられる寂寥。二つが、寒流と暖流のように交わる。そこに生まれるのは、不思議な酒を口にした酔いだ。そう、確かにこのイメージ。美しい自然を見た時の印象って、言葉にはできないんだけど、こういう表現もあるかぁ〜って感じ。
あ〜、ヨロヨロでもヘロヘロでもいい、山に行きたいなぁ〜。
八月の六日間 | |
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