挑戦する公共図書館/長塚隆

挑戦する公共図書館: デジタル化が加速する世界の図書館とこれからの日本 (図書館サポートフォーラムシリーズ)』を読んだよ。公共図書館あれこれ。

図書館サポートフォーラムシリーズの一冊。副題が「デジタル化が加速する世界の図書館とこれからの日本」ということで、アジアを中心に世界各地で様々な新しい取り組みを行っている図書館をテーマ別に紹介する本。一応、テーマ別にはなっているけど、図書館の取り組みは多岐に渡り、同じ図書館が何度も登場することもあったり、どの図書館も同じようなことをやっていたり。

では、どんな取り組みがトレンドなのだろうか。
ひとつは、メーカースペース。日本ではファブラボとかいう表現をすることがあるけど、要は「ものづくりの場」。3Dスキャナ、3Dプリンタ、電子ミシン、電子工作機器、動画や音楽編集、はたまた教育用ロボットの貸出とかも。ありとあらゆるものづくりツールがそれぞれの地域や国の特徴を活かして、提供されている感じ。

さらには、デジタル化の進展。
電子書籍、電子ジャーナルはもちろん、新聞の閲覧とか、古典籍までデジタル化して提供する図書館が増えている。資料だけではなく、サービスのIT化も進み、貸出・返却も自動化され、それによる24間開館する図書館とかも登場しているよ。

あとは、地域のコミュニティの場としての図書館も。例えば、屋上に圃場が整備されているとか。こりゃ、驚くわ…。

もっと衝撃的な事例は移動図書館。移動のための手段のひとつが「ゾウ」。応援したくなるよね。やるな~、図書館!頑張れ、図書館!

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ブレイクスルーの科学者たち/竹内薫

ブレイクスルーの科学者たち (PHP新書)』を読んだよ。異分野をつなぐ力。

たまには理系本を読まないと…と思ったのかどうかは不明だけど、ずっと読みたい本リストに積まれていた本書。著者の竹内薫氏は多作なので、読んでも読んでも追いつく気配なし。それでも、手軽に読める理系本だから、ついつい手に取ってしまうんだよね。そんな1冊の本書は、2010年の発刊ですでに9年も経っており、内容がかなり古くなっている点は否めず。いや、それだけ科学の世界の進歩が早いということなんだよね。

ブレイクスルーの原動力とは何だろうかという観点で、それぞれの科学者の成果を見ていくわけだけど、そこに通底する概念は「異分野をつなぐ力」。ほとんどの科学者は異分野の概念を取り入れたり、ヒントにしたり、融合させてみたり。

では、どんな科学者達が登場するのか。
冒頭は、ノーベル賞を受賞する前の山中伸弥氏。もっとも、ノーベル賞に一番近い科学者として紹介されているけれども。ここでの「異分野をつなぐ力」はコンピュータ。

そもそもコンピュータのプログラミングに明るくなければ、計算によって数万の因子をたった四つに絞ろうなどとは考えない。異分野をつなぐ力は、発想の幅を広げ、誰も気づかない可能性を見せてくれる。
ということ。確かに、遺伝子とコンピュータって相性は良さそうだよね。

さらに、粘菌研究の中垣俊之氏。

だが、中垣の研究には、実際に生きている粘菌のほかに、数学という方法論が欠かせない。生物学と数学をつなぐことにより、われわれは、粘菌の「知性」を自動車道路や鉄道のネットワークに活かして応用することができる。これは、一つの分野に特化していては、決してできないことなのだ。
と生物学と数学をつなぐ。数学は考え方の基盤でもあるってことなんだよね。

紹介の最後は、火山研究の田中宏幸氏。素粒子物理学と地球物理学をつなぐ。そして、「異分野をつなぐ力」とは、

異分野をつなぐ力は、1+1を2以上にする力だ。通常よりも長い修業期間を必要とするが、複数の分野をマスターした暁には、倍以上の威力を発揮することが可能になる。その意味で、若いころに複数の専門分野をきわめることは、将来のブレイクスルーの確率を飛躍的に高めるに違いない。
と筆者。うん、自分もそう思う。ただ、「経験する」ではなく、「きわめる」ことが重要だろうね。のんべんだらりではなく、課題意識を持って。
そうか、まだ遅くはない。今までの経験を組み合わせてみよう。

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ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則/ジム・コリンズ

ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』を読んだよ。カンパニー以外にも使える。

ビジネス書の王道と思われる本書。本書の中でもドラッカーの著作との違いの記述があったけど、どちらも基本中の基本なのだろうと思う。ただ、ドラッカーとの違いは本書は調査をベースとして分析結果の報告であること。
それを筆者は、

わたしたちは六年間の調査プロジェクトで、ビジョナリー・カンパニーを選び出し、その軌跡を体系的に調べ、慎重に選び出した比較対象企業と、どう違うのかをくわしく検討し、こうした企業が長年にわたって卓越した地位にある理由を明らかにしようと試みた。この本は、この調査プロジェクトの結果と、それが持つ実践的な意味をまとめたものである。
と言っているよ。

さて、そもそものビジョナリー・カンパニーとはどのような企業か。何度も出てくる比喩が「正確な時を告げることではなく、正確な時を告げる時計を作ること」ということ。例えば、製造業でいえば、

製品を設計する仕事から、すばらしい製品を次々に生み出せる組織を設計する仕事、つまり、環境をつくる仕事にすばやく方向転換した。
ということ。そのために、創業者がやるべきことは、
こうした創業者にとってもっとも大切なのは、会社を築くこと、つまり、時を刻む時計をつくることであり、ビジョンのある商品アイデアで大ヒットを飛ばしたり、魅力ある商品のライフ・サイクルの成長カーブに乗って飛躍することではない。
ということになる。とは言え、本書に紹介されているビジョナリー・カンパニーがその意図で会社を動かしていったかというとそうではなく、単に企業の理念としてそうだったというわけなんだけど。

そして、その理念も重要。

一言でいえば、ビジョナリー・カンパニーの理念に不可欠な要素はない。わたしたちの調査結果によれば、理念が本物であり、企業がどこまで理念を貫き通しているかの方が、理念の内容よりも重要である。
となり、内容よりも一貫性。そして、貫き通すということ。どのビジョナリー・カンパニーもブレないっていうのは凄いわ。その為は、カルト的であったり、ストイックであったり…。

そう、小さな組織でも、組織の一部であっても、ビジョナリー・カンパニーになれる!ということが分かったのが、本書の一番の収穫だね。

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学校の「当たり前」をやめた。/工藤勇一

学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―』を読んだよ。やめてみたいこと、たくさん。

著者は千代田区麹町中学校校長の工藤勇一氏。さまざまな学校改革に取り組んで、今ギョーカイでは注目の人物。本屋に行くと、本書が目立つ棚に置いてあることが多いし。その工藤氏が麹町中学校で取り組んだ事例を中心に学校改革の内容をまとめたもの。麹町中学校に移る以前の話もあり、ここに至る経緯もよく理解できるよ。

では、どんな取り組みが行われてきたのか。それが、「服装頭髪指導を行わない」「宿題を出さない」「中間・期末テストの全廃」「固定担任制度の廃止」など。特に宿題とテスト期間については、思いっきり「当たり前」として行われてきたもの。それをやめたというから、これは大きな改革としか言いようがない。

当然に、単にやめることが目的ではなく、ある大方針に則って考え、決めたこと。その方針とは、

学校は子どもたちが、「社会の中でよりよく生きていくようにする」ためにあると私は考えます。
ということ。この学校の目的を実現するために何をしたらいいのかを考えた結果の改革なんだよね。

「何をしたらいいのか」は手段ということ。工藤氏は「目的と手段を取り違えない」と主張する。手段の目的化ってありがち。宿題や定期テストは単なる手段。手段を実行するために、教員も生徒も汲々となっているという事実に目を向ければ、当然の改革なんだよね。

もう一つの主張は「上位目標を忘れない」ということ。麹町中学校の最上位目標は、

すべての子どもたちが「世の中ってまんざらでもない!大人って結構素敵だ!」と思える学校
ということ。内容もいいけど、この最上位目標が設定される意義は大きいよね。教員もPTAも生徒も、何かの課題に取り組む際に、この目標を忘れずに、検討すればいいのだから。

振り返って、我が社の最上位目標はなんだろ…。

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the four GAFA 四騎士が創り変えた世界/スコット・ギャロウェイ

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読んだよ。創り変えたその行き先は?

GAFAとは、GoogleAppleFacebookAmazonのこと。これらの企業は世の中に幸福をもたらすのか、それとも、ヨハネの黙示録の四騎士のような存在なのか?GAFAの現状とこれからの動き、そして、四騎士を追うものはあるのか?世の中の行き着く先は?という観点でまとめた本。筆者は、連続起業家などを経たスコット・ギャロウェイ氏。

GAFA、それぞれの企業の特徴と現状は各所で書かれたりしているので省略するとして、四騎士の共通する特徴は何か?
まずは、

四騎士はすべて他社より先に行くことを旨とし、大胆な計画に賭け、失敗に寛大だ。
ということ。特にAmazonがそうだし、Googleも次々とサービスがリリースされては消えていく。Facebookもコロコロと仕様が変わるかな…。

そして、もっと現実的な問題。

現実から目をそらしてはいけない。フェイスブックの唯一のミッションは金儲けである。会社の成功はクリック数と金額で測られる。ならば記事の内容が嘘でも本当でも関係ないではないか。何人か“メディアの番人”を雇って、擁護させておけばいい。
と。FacebookGoogleもメディア企業ではないと主張する理由がここに。あまりにもひねくれているけど、これが現実と言われれば、納得するわ…。

最後に。

四騎士は計り知れないほどの力を集めた組織である。力は腐敗する。特にローマ教皇が、“金銭への崇拝”と呼んだものに感染している社会では、それが顕著だ。これらの企業は税金を逃れ、プライバシーを侵害し、利益を増やすために雇用を破壊するのは……それが可能だからだ。心配なのは四騎士がそうすることだけではなく、それが得意技になっていることだ。
と。これって、AIで人間の仕事がなくなるっていう論理と同じ?いや、ちと違うか。でも、新しい社会構造への変革ってことだよね。知識基盤社会とか言われているけど、波の知識では太刀打ちできないってことか…。全員が負け組って、どういう社会なんだろ。想像できんわ。

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HIGH OUTPUT MANAGEMENT/アンドリュー・S・グローブ

HIGH OUTPUT MANAGEMENT』を読んだよ。MANAGEMENTのバイブル?

筆者はインテルの元CEOであるアンドリュー・S・グローブ氏。フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグも本書を読んで、大きな影響を与えたというから、マネジメントを知りたいなら必読の書なのかな…。そんなわけで、自分も随分前にkindle版を買っていたんだと思うな。

さて、マネジメントって何だろ。筆者の言うことを自分になりにまとめてみると、アウトプットの最大化に組織を誘導すること…なのかな…と。それを説明する事例を以下に紹介。

まずは、

マネジャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある。
とか。自分のアウトプットは評価の対象外なんだよね。だからこそ、
この本での中心課題は、マネジャーのアウトプットが、即、担当組織のアウトプットだということである。原則としてみなさんの1日の中の1時間1時間は、自分が責任を負っている部下のアウトプットや、そのアウトプットの価値を高めることに費やさなければならない。
ということになるんだよね。うん、これを理解しなければ、組織は動かせないわけだ。

そして、課題解決の問題。

注意すべきことは、ごくあたり前のルールであるが、どのような問題にしても、生産プロセスの中で、できるかぎり〝価値が最低〟の段階で問題を発見して解決すべきだということである。
「ごくあたり前のルール」と言っているけれども、これは大原則として肝に銘じないとね。

最後に。
自分が気に入ったセリフが「テコを入れる」という技術。

マネジメントの〝 技術〟というのは、一見比較してみて同じくらいの重要度を持つ多くの活動から、テコ作用の優れたものをひとつ、2つ、あるいはせいぜい3つほど選び出して、それに集中する能力にある。
小さな力でも、大きな力を発揮するテコの技術をマネジメントに使うということ。その為にも、テコの技術、その使い方を研究しておかないとね。効果がある使い方をしたいからね。

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amazon 世界最先端の戦略がわかる/成毛眞

amazon 世界最先端の戦略がわかる』を読んだよ。Googleを超えるかも…。

筆者はマイクロソフト日本法人の元社長である成毛眞氏。同社を退職してからの活動は詳しくは知らないけど、執筆活動は続いているよね。たまに本屋で名前を見かけるような気がするし。その執筆活動の一端が本書。テーマはずばりamazon。知らなかったけど、amazonっていう会社は、情報公開としては消極的だとか。だからこそ、注目されるってこともあるだろうし、たまに数字が出るとその規模に驚くことになるんだよね。

では、amazonはどんな企業なのだろうか。まずは、その社長に注目する必要があるかと思うので、ジェフ・ベゾスについて。

そして、特筆すべきは、ベゾスもそれぞれの事業をコントロールする気がないところである。これこそがアマゾンが新たな事業をどんどん横展開しやすい理由であり、これがアマゾンが何の会社かをわかりにくくしている最大の理由かもしれない。
ちょっと待て。コントロールしないってどういうことなんだ?といきなり躓いてしまうけど、それこそがamazonamazonたる所以なのかもしれないね。

では、この「何の会社か?」という点。これも摩訶不思議。

現在の投資家は、従来のものさしでは測れないこの企業を評価している。とはいえ、本当の投資家たちがアマゾンを理解しているかは怪しいこときわまりない。先述したように、ベゾス自身がわかっていないのだから、第三者が未来についてわかるわけがないではないか。
これもまた身も蓋もないない話。それでも、投資は行われ、さらに成長していくamazonって。

では、筆者の考えはどうだろうか。いわば「プラットフォーマー」という考え方をしているよ。

「作ったシステムを売る」というのは、プラットフォーマーにとっては必要条件だ。巨大なキャッシュを持つアマゾンにとって、新規事業での売上がどの程度の規模になるかなどは些末なことである。そんなことよりも、仕組みそのものが業界に変革を起こすモデルということが大切なのだ。テクノロジー会社の所以である。アマゾンゴーの仕組みを、スーパーなどへライセンス販売することを最終的には視野に入れているはずだ。
ということ。自社用に作ったシステムを最終的には売っていくというビジネスモデル。巨大ゆえに売る自信もあるんだろうね。

最後にGoogleとの比較。これはリアルな世界を把握しているamazonの方が勝ち目があるような気がしてきた。Google贔屓な自分だけど、Googleは所詮仮想世界の情報しか集められないのではないかと…。ネット世界の覇権戦争、まだまだ目が離せないね。

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