女性の品格/坂東眞理子

女性の品格』を読んだよ。男子も同じ。

以前から読みたい本リストに入っていた本書。この度めでたくAmazonのPrime Readingに登場したので、他の積ん読本を差し置いて、読んでみる。読みたい本リストに入れた当時、「品格」がテーマの本が流行っていたような気がする。『国家の品格』とか。筆者は、昭和女子大学前学長の坂東眞理子氏。現在は、理事長・総長になっているみたい。

では、「女性の品格」とは何だろうか。冒頭では、

この本は女性の品格について書いたつもりでしたが、結果として、人間の品格とは何か、品格ある生き方とは何かについて考えざるをえませんでした。
ということ。女性である前に、人間としてどうなんだということは考えざるを得ないよね。

そして、話し方について。

基本的にはどの相手にも、です・ます調の丁寧語を使いつづけるのが安全です。
と。敬語を無理に使うより、丁寧語がいいよね。最近は敬語と丁寧語が混同されている日本語が多すぎるし。シンプルにすることも品格の一つだよね。

複雑になりがちな人間関係についても。

品格ある女性の第一歩は一人で生きていけること、群れないことから始まります。
そう、これは重要。自由度を増すことが重要なんだよね。どっぷりと浸かってしまうと、行動や目的が制限されてしまうからね。

最後に、

神様や仏様など人間を超越した存在(something great)から見て恥ずかしいことをしていないと断言できる行動をするのが、人間の品格の基本です。
と、倫理観で締める。神がかってくるとは思わなかったけど、最後はそれしかないか…。

それにしても、最近の昭和女子大学はどうなんだろ。理事長になって、さらに加速しているのだろうか、気になるところではあるね。

Airbnb Story/リー・ギャラガー

Airbnb Story』を読んだよ。旅という概念を考え直す。

いわゆるシェアビジネスという単語が巷で話題になっていた頃、その代表格として取り上げられていたのが、UberとこのAirbnb。読み方が難しいなと思っていたけど、2つのBはBreakfastとBedのことだと本書で知る。これで、この企業の意図することに納得。日本ではどちらかというとUberの方が先行していて、特にUber eatsでその存在が顕在化した感じ。特にこのコロナ禍での「おうちで」モードでは、有効だったかもね。

おっと、Airbnbの話だった。そのAirbnbは、

「世界中を居場所にする」
それがエアビーアンドビーのミッションで、究極の目標だ。
ということ。明確でわかりやすいよね。その後の困難においても、このミッションに立ち戻って考え、乗り切っているよ。こういう基本が大事。

そして創業者3人のうち、2人がデザイン系ということも特徴だよね。

デザインとは、プロダクトからインターフェースからエクスペリエンスまで含めて、「すべてがどううまく機能するか」、ということだ。ふたりのこの考え方は後に、会社のすべての面に染み込んでいく。
と。すべてをデザイン思考で考える会社かな。そういう意味で会社の方針がわかりやすいとも言えるよね。これが企業文化にも繋がっていく。つまりは、
文化が強力であればあるほど、社員を信頼でき、その分正式な規則や手続きが少なくて済む。手続きが少なければそれだけ管理も軽くなり、イノベーションが生まれやすい環境ができる。
あぁ、これは凄い凄い。こういう考え方が好き。いや、職場はこうでなくちゃという感じ。ルールより文化を作らないとね。

最後に「ミレニアル層」気になる単語。何度も出てくるんだけど、このミレニアル層がAirbnbを支持しているということがよく分かる。そう、人が変わるということは世の中が変わるということ。次のZ世代?に支持されることってなんだろう?って考えないとね。

若草物語/L・M・オルコット,吉田勝江

若草物語』を読んだよ。子供の頃に読んでいたら…。

児童文学というカテゴリの作品ってほとんど読んでいないけど、この歳になって読むのもどうかとは思うけど、人生は短しで読まないで終わるのも勿体ないような気がするということで本書。いや、正直に言うと、本書を原作とした映画を見ようかと思っていたので、その雰囲気とか背景を知りたかったというのもある。

19世紀後半のアメリカを舞台とした四人姉妹の物語。しかも、ある都市の1年間の出来事。クリスマスで始まって、クリスマスで終わるから。四人姉妹といっても、全員が十代。一般的に多感と言われている時期なので、その思いは複雑。それぞれに役割があり、細々とした仕事をしなくてはならず、とは言え遊びたい気持ちも抑えきれず。うん、そんな時代だったな。

そして、十代だからこそ、長女から四女の成長の差は歴然とする。

ジョーは、この二週間のうちに姉がびっくりするほどおとなになってしまって、自分などついていくこともできないような遠いところへ行ってしまうのだ、という気がしてならなかった。
そう、1学年の違いが大きかったように、「びっくりするほど」成長する時期なんだよね。

そして、父母との関係。大人になりつつも、まだ両親に甘えたく、頼りたいという気持ち。微妙というか、複雑というか…。それを乗り越えた先に大人の世界が広がっていくんだよね。
あぁ、自分の十代はこんなだったのだろうか。もう思い出せないほど、遠い昔の物語になってしまったわ…。

限界費用ゼロ社会/ジェレミー・リフキン

限界費用ゼロ社会』を読んだよ。コストをどこに掛けるか。

モノのインターネットといえばIoTというわけで、IoTビジネスとか今後の展望を期待して手に取った本書だけど、それよりもさらにスケールの大きな話だった。期待外れというわけではなく、別の視点を得ることができたという感じ。副題は「<モノのインターネット>と共有型経済の台頭」。だから、主題は後者の「共有型経済の台頭」ということになる。「台頭」というより、「転換」と言ってしまったほうがよいような…。本書はその主題をひたすら語り続けるといった感じ。途中で飽きてくるけれども。

では、IoT、限界費用ゼロ、共有型経済はどのように結びついているのか。本書の説明では、

IoTの可能性をめぐる大きな興奮の陰に隠れてしまっているが、あらゆる人とモノを結びつけるグローバルなネットワークが形成され、生産性が極限まで高まれば、私たちは財とサービスがほぼ無料になる時代に向かってしだいに加速しながら突き進むことになる。そしてそれに伴い、次の半世紀の間に資本主義は縮小し、経済生活を構成する主要なモデルとして協働型コモンズが台頭してくる。
といった感じ。一応、ストーリーになっているよね。

そして、それを支える3つのインフラ。それは、

インフラには三つの要素が必要で、そのそれぞれが残りの二つと相互作用し、システム全体を稼働させる。その三つとは、コミュニケーション媒体、動力源、輸送の仕組みだ。
これらの有り様が劇的に変化することも重要な要素ということ。そして、共有型経済への移行は必然になっていくんだよね。

最後は人間の価値観の変化。

生活の大半が協働型コモンズで営まれるという高度に自動化された世界に生きる私たちの子孫にしてみれば、人間の価値はほぼ絶対的に当人の財やサービスの生産高と物質的な豊かさで決まるという考え方そのものが、原始的に、いや、野蛮にさえ思え、人間の価値をひどく減じるものとしてしか捉えようがないはずだ。
となりそうだね。その萌芽が見えてきているし、その恩恵にも預かりつつある。自分が生きている間にも世の中がすっかり変わっていくんだろうなぁ~。

話を聞かない男、地図が読めない女/アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ

話を聞かない男、地図が読めない女』を読んだよ。男女は違うことが前提で。

以前に日本でも話題になり、200万部も売れたという本書。うん、確かにそんな記憶が…。で、今回はprime readingでの読書。このprime reading、たまに本書のような読み損ねた昔のベストセラーが出ているので、定期的にチェックする必要があるよね。

さて、本書。基本的にはタイトル通りなんだけど、これにはそれ以上の内容を包含する。ひとつは、「話を聞かない」、「地図が読めない」はネガティブ要因だけど、当然ながらポジティブな要因が存在し、それが説明されていないということ。だから、ネガティブには目をつぶり、ポジティブを意識してお互いが接していくべしということになるよね。

もう一つ。そもそも男女は違うということ。

女が地図を読むのが苦手で、男が新聞を読んでいるとき何も聞こえないのは、ウサギが空を飛べず、アヒルがよちよち歩くのと同じで、根本的に変えようがない。
とか、
男と女はもともとの作りがちがっている。この事実を認めようとせず、勝手な期待を相手に押しつけると、男女関係は暗礁にのりあげる。
ということ。いや、ついついこの事実を忘れがちになるんだけど…。

そして、個人対個人の男女間ではまだいいとして、社会的に考えるとどうなるのか。

男と女はちがう。どちらが良い悪いではなく、ただちがう。科学の世界では常識だが、差別嫌いの社会が全力でそれを否定にかかっている。男と女は等しく扱われるべきだという社会的、政治的な観点は、両者が同じであることを前提にしている。だがその前提には、まったく意味がない。
いやはや、これは社会構造が間違った前提で成立しているということではないか…。建前と事実の違いで社会が混乱し、収拾がつかないって、やっぱり構造的な問題なんだろうね。なんだか妙な気づきを得た読書でした…。

陰の季節/横山秀夫

陰の季節』を読んだよ。D県警って何県?

『クライマーズ・ハイ』から気になっていた横山秀夫。その次は「D県警シリーズ」の長編の『64(ロクヨン)』で、今回はその「D県警シリーズ」の短編集。その代表作といってもいいのかも。
そして、『64(ロクヨン)』と同じく、刑事が主役ではなく、警察で働く人たちが主人公なのがこのシリーズの特徴だよね。

本書の4編の主役の仕事は、人事担当、監察官、婦警、議会対策と様々。それぞれが警察内部の根深い課題に巻き込まれていく。そして、そのどれもが警察内部の不祥事と関わっている。だから、

『事故』──。警察職員の不祥事はすべてそう呼ばれる。
という表現が使われているよ。なんだか、そもそもを誤魔化しているような…。

そして、特徴的なのは最後の「議会対策」。こんな仕事があったんだ…という感じ。いや、警察といっても、まさにお役所なんだということが分かるよね。

警察といっても、結局は起こる事件は会社と変わらないんだよね。それが証拠にD県警では自組織のことを「カイシャ」って言っているしね。でも、会社と違うのは、自組織対策の機能が大きいってことかな。普通の会社以上にコンプライアンス重視と言ってしまえば、それまでなんだけど…。

点と線/松本清張

点と線』を読んだよ。最後が駆け足?

時刻表ミステリーと言えば、自分的には『準急ながら』なんだけど、一般的に知られているのはこの小説。確かに『点と線』から『準急ながら』を知ったということもあるので、やっぱりこちらが金字塔なんだよね。以前に本書を読んだのは30年以上の前のこと。おおよそのストーリーは分かっていたけど、最後の落ちが駆け足っぽい。前半がかなりゆったりペースだったこともあり、余計にそう感じるのかな…。

そして、本書の特徴は時刻表。旅の道具として必要不可欠なものだけど、今でもあの分厚い時刻表を趣味としている人はたくさんいるんだろうね。数字を読んで、鉄道の運行を想像する。現地の風景をイメージする。さらには推理するとところまで行くんだろうね。そして、その様子を描いた随筆が登場する。その随筆について、

随筆は詩情に溢れ、余人には無味乾燥に見えるあの横組の数字が、いかなる小説よりもおもしろいらしいのです。数字の行間からは、 蜿蜒と尽きぬ旅情の詩が湧き、随想が生まれるらしいのです。
と…。うん、面白いのは事実。そして、その面白さが分かったからこそ、松本清張自身も時刻表を読み解くことによって、この小説を書いたんだろうからね。

そして、もう一つの観点は官庁の汚職絡みという点。実務者レベルの課長補佐が巻き込まれてしまう。本書は昭和32年の作品だけど、平成の後半にも同様な大きな事件があったっけ。世の中は変わっているのに、人の営みは変わっていない。そう、令和になっても、コロナになっても、変わらない…。
あら、『点と線』から、こういう結論に至るとは思わなかったなぁ~。