村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?/村山斉,高橋真理子
『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ビッグバンからヒッグス粒子へ (朝日新書)』を読んだよ。書籍らしからぬタイトル。
『宇宙は何でできているのか』の村山斉氏と朝日新聞編集委員の高橋真理子氏との宇宙対談集。『宇宙は何でできているのか』は後半は難解な部分があり、スッキリ読み切ったという感じはしなかったけど、今回は分かったという気にはなるスッキリ度。対談集だし、聞き手が科学に詳しいので、質問の仕方が上手いのもスッキリの要因かもしれないね。
冒頭はヒッグス粒子。何年か前に「ヒッグス粒子発見!」というニュースが話題になっていたけれども、実際はヒッグス粒子って何?って感じ。村山さんは、
秩序をつくるという今までにない役割をしている粒子です。<中略>その粒子が凍りついて秩序ができた。ヒッグス場になった。と説明しているよ。しかも、あらゆるところに満ち満ちているとも。ホントかぁ〜って思うけど、それは空気と同じでしょと言われると、そういうものかと納得してしまうわけ。
話はニュートリノを経由して、不確定性原理という科学の根本の話へ。村山さんは、
逆に科学者をやっていると、謙虚になると思います。むしろこんなことがわかっていないのか、しょっちゅう降参したと言って暮らしているわけですから。と。科学者は何でも知っているように見えるけど、知らないことを知っているということが大切な態度なんだろうね。アッシも降参ばかりだけど、科学者になれるのか…。
最後は宇宙の話。
アッシがいつも気になるビッグバン以前の話も当然出るんだけど、村山さんは虚時間の論理から、
だから、「始まりの『前』」は問題じゃなくて、「前」と「後ろ」に区別がないんだ、と。でもどうして虚時間が実時間になったのか説明してくれないので、結局、煙に巻かれて終わる感じです。と説明しているよ。聞き手も「棚上げ」という結論に。やっぱり、ビックバン以前って、普通の人の頭脳では理解できないものなんじゃないかという気にもなるんだけど…。
村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか? ビッグバンからヒッグス粒子へ (朝日新書) | |
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