池上彰の政治の学校/池上彰

増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)』を読んだよ。知ってみるとなかなか面白い。

初版の発行が2012年9月だから、ちょうど衆議院選挙で自民党が圧勝した後の頃。その時期をベースに今の日本の政治について解説し、日本はこれからどういう政治をすべきかを、池上彰氏が述べた本。アッシが読んだのは、その増補版ということで、2013年6月発行のもの。だから、夏の参議院選挙に向けて、安倍政権の評価を加えて、読者に考えてもらおうという意図なんだろうね。

で、本書の冒頭で、

日本の政治がうまくいかないのは、政治家が「票集め」に走り、国民は「幸せの青い鳥」を追い求めているからです。
といきなり結論。どうして、結論を先に言うかというと、この「票集め」と「幸せの青い鳥」が本書の二大キーワードだから。

さて、政治と言っても範囲は広い。最初は選挙の話。小選挙区制が「チルドレン現象」を産んだという話は興味深いよね。あと、橋下氏のチルドレンの場合はベイビーズと表現したりして…。池上氏、やるなぁ〜。

続いて政党の話。

言い換えれば、日本の国会議員は、必ずしも自分の信条と照らし合わせて所属する政党を決めているわけではないということです。選挙で勝てそうな政党に属している人が多いのです。
そう、結局は「票集め」。つまり、政党は単なる「腰掛け」。酷い…。

政治主導と官僚の話も面白いよ。つまりは「票集め」に関係しているから。詳しいことはここでは省略し、もっと「票集め」に関係するポピュリズムについて。その代表格は橋下大阪市長とか、一昔前だと小泉元総理。しかし、これにも当然注意が必要で、

しかし、恐ろしいのは、「とにかく今とは違った状況を作ってくれ」という要求を繰り返していても、世の中は改善されないだろうということです。
政策内容を理解せずに、人気だけが先行するパターンだよね。要はこれがポピュリズムの怖さなんだけど。そして、
青い鳥を追い求めてしまうのは、仕方がない。でも、青い鳥はどんなに探してもいないのです。結局、自分の身近なところにいる鳥を青い鳥にしなくてはいけない。橋下市長というのは、それに気がつかせてくれる存在のように思います。
と最後に「青い鳥」の話。そう、政治家は有権者が育てていくものということを、ここでも繰り返しても言っているんだよね。次の選挙はもう少し真剣に考えてみよ。
増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)
増補 池上彰の政治の学校 (朝日新書)池上 彰

朝日新聞出版 2013-06-13
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