笑うに笑えない大学の惨状/安田賢治

笑うに笑えない 大学の惨状(祥伝社新書)』を読んだよ。笑っている場合じゃないんだけど…。

この手の大学ギョーカイに関する本は、最近ラッシュ気味。どの本を読んでも、どの大学もいろいろなことをやっているのが分かるんだけど、どれもが小手先論の域を出ず、本当にそれでいいのか、大学はどこを目指しているのかというところまではたどり着けていない感じ。だから余計にこの手の本も、「最近の大学は大変なんだねぇ〜。」と茶化して終わり。本書も御多分に洩れず、その類い。

ターゲットは受験生、高校生というより、その世代を持つ親たちを意識しているような。論調としては、昔はこうだったけれども、今の大学はこんなに変わっていますよ〜。だから、受験生の親の皆さんの時代とは違いますよ〜。それを知った上で、子どもの進学先を考えてくださいねぇ〜と言っている感じだから。

内容的にはアッシが知っていることばかりで、特に目新しい話題も無し。加えて、アッシとの見解の違いも。
例えば、学校法人とそれが設置する学校との関係。ホールディングスに例えているけれども、それはちょっと違うような。組織のイメージは近いけど、元々、それぞれの学校には財産がないわけだし。

あと、大学パンフレットについて。
最近の受験生は無闇に請求しない理由をエコの意識が高いからと言っているけど、それも違うような。面倒臭いだけか、Webでの情報で十分だからなのではないかと思うけど…。

どうも、批判的に書いてしまったけれども、そもそも「惨状」というのもヘンなような。高等教育という枠組みの中で、創意工夫で頑張っているなぁ〜と読み解きたいんだけどなぁ〜。

笑うに笑えない 大学の惨状(祥伝社新書)
笑うに笑えない 大学の惨状(祥伝社新書)安田賢治

祥伝社 2013-10-02
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