椿山課長の七日間/浅田次郎
『椿山課長の七日間 (朝日文庫)』を読んだよ。人生をありがとうって言って終われるか。
初めてのkindle本で、浅田次郎もお初。ある日、kindleの日替りセールで本書が何と199円。たまたま、ギフトカードを買っていたので、思わず1ーClickで買ってしまった。でも、この仕組み、ホントに1クリックで買えてしまうから怖い。クレジットカードを登録してしまったら、どんどん買ってしまいそう。読める許容量を超えてしまうだろうし。まぁ、浅田次郎も気になっていたので、今回はお得な買い物だったと思うけど。
で、本書の話に移る。
主人公はデパートの婦人服売り場の課長。夏のバーゲンセール開催初日に過労死してしまう。そして、冥土への旅立ち。その途中で、極楽浄土へ行くか地獄へ落ちるかの分かれ道。でも、そこはSACという事務手続きだけの役所のようなところ。イメージとしては、昔の免許更新みたい。そこで主人公は、「相応の理由」があれば、7日間は一時的に現世に戻ることができるという制度を知り、それを利用することにするわけ。現世に別の姿で戻ってみると、生前の自分の知らなかったことが次々と明るみになり、嬉しくなったり落ち込んだり…。悲しい話の方が多いんだけど。
同じタイミングで現世に戻った人達とも少しずつ絡み合いながら話が進む。だから、人間関係がちょっと複雑。しかも、生きている人間と生き返った人間(さらに性別や名前が変わっているから)が混在するので、頭の中で整理しないと分かりにくいかも。
そして、それぞれの人物に関わった人たちが、別の人物と微妙に絡み合っていくよ。
そして、通底するのは、家族愛とか人生とか。途中、泣かされる場面もたくさん。アッシにしては珍しくほろりときてしまう場面も。「ありがとうございました。」と言って、終われる人生にしたいよね。
椿山課長の七日間 (朝日文庫) | |
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