果つる底なき/池井戸潤

果つる底なき (講談社文庫)』を読んだよ。現代ミステリーだったんだ…。

TVドラマで話題になっている「半沢直樹」。このドラマを見てはいないけど、筆者の池井戸潤をいう作家は気にかかる。そういう時は大抵デビュー作から漁ってみるのがアッシ流。単に話題本は図書館で借りられないからっていうこともあるんだけど…。

ということで、池井戸潤氏のデビュー作がこの『果つる底なき』。半沢直樹風に考えれば、いわゆるビジネスものの範疇かと思っていたけど、いきなり人が死亡し、刑事などが登場する。おっとこれは、ミステリー?などど思っていると、主人公の銀行員が、社内調査を始めてしまい、最後はほとんど刑事並みの大活躍。そう、最後に本物の刑事が、「この事件は、あんたが解決べきものだったんだ。」などと言う始末。素人探偵といえば、それまでなんだけど、まぁそんな感じ。でも、手形とか裏金とか和議とか、やっぱり金融機関の人じゃないとピンとこない用語がたくさん登場するし、事件を取り巻く人たちが主人公と個人的な関係が強かったから、やっぱりこの主人公の登場がないと物語が成立しないよね。

もう一つは、銀行員らしくない主人公というのもポイント。

「厳しいとは思わない。浅ましいと思う。」
という主人公のセリフ。銀行員だったら、当たり前というか仕事として考えらえることを、主人公は違う視点で捉える。

多くの登場人物が有り、金融業界の用語が有り、その点で多少の分かりにくさもあったけど、最後は急展開でスカッと解決っていう感じで、久しぶりに“森村誠一”してしまったかなぁ〜という感じでした〜。

果つる底なき (講談社文庫)
果つる底なき (講談社文庫)池井戸 潤

講談社 2001-06-15
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