食える数学/神永正博
『食える数学』を読んだよ。一応、食えています。
数学読み物にしては異色のタイトルの本書。文字通り数学を食べてしまおうというわけではなく、数学で食っていけるか(生計を成り立てていけるか)というのが主旨。ただ、この表現は多少のニュアンスの違いがあり、実際は数学が世の中でどのように役に立っているかということを言いたいわけ。
では、本当に数学は役に立つのか。ひとつの事例が、フェルマーの小定理。あの大定理の他に小定理があったことすら知らなかったけど、この小定理が暗号システムに使われているというお話。フェルマーは300年も前の人。だから、
いま実用性がないと思われているものが、将来どんなふうに大化けするかーそれは誰にもわからないのではないでしょうか。ということになる。そう、数学の世界にはこれと同様な事例が山にようにあるよね。
では、数学を勉強する目的は何か?本書では、「自分の好きな仕事に役立てること」が目的だとしているよ。そして、そこから筆者のイメージするのは「ストリートスマート」。
ストリート(現場)から学び、人生をきり拓いていく人。誰かがつくった問題ではなく、仕事で出会うさまざまな問題を自分の頭で解き、道なき道を行く人たちです。と説明し、数学をサバイバルナイフとして使えるように…とも。うん、数学は斬れ味するどいナイフになりそうだよね。
最後に、数学勉強法の裏技。
鶴亀算より連立方程式を理解した方が手っ取り早いってことがあるよね。つまりは、
より高い視点から考えるほうが、頭への負荷がはるかに軽いのです。ということ。これは非常に納得。だって、アッシ自身、鶴亀算が分からなかったから。
そう、数学は積み重ねの学問ではあるけれども、先にドンドンと進んでみることも必要で、振り返ってみると視界が広がるんだよね。だから、数学は楽しいね。
食える数学 | |
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