代替医療解剖/サイモン・シン,エツァート・エルンスト
『代替医療解剖 (新潮文庫)』を読んだよ。代替だったんだ…。
ご存知、サイモン・シンの科学読み物。今回は医療ということで、より正確を期すためにエツァート・エルンストという医師との共著になっているよ。そして、訳者はこちらもご存知青木薫氏。読むのが凄く楽しみでもあったんだけど、なんせ文庫本で584頁もある大書。1週間で読み切るつもりが、遠方出張などが重なり、結局2週間で読了。
本書の単行本の原題は『代替医療のトリック』だから、これは明らかに代替医療がトリックであると断言しているような…。だから、文庫化するにあたって、その辺を曖昧にするために、『代替医療解剖』にしたんだろうね。あとがきにも、代替医療関連機間から、名誉毀損で筆者が訴えられた話が書かれているし。でも、「解剖」でも、十分に怪しさは漂っているんだけど…。
さて、内容はというと、いわゆる法律に基づいた医療行為以外で、人間の身体について、病気や怪我を治したりする行為(代替医療)について、その有効性、危険性、コストパフォーマンスなどを科学的根拠に基づいて検証するもの。そう、この《科学的根拠にもとづく医療》という点がキーワードで、これが代替か本物かの判断基準になるわけ。
そして、代表的な代替医療である鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の4つを、科学的に検証する。さて、その結果は…。
予想は付くだろうけど、ここでは書かないことにする。
もう一つのキーワードは、「プラセボ効果」。意味は本書を読んでいただくとして、これも、よくよく考えると凄く不思議。人間的っていうか生物的っていうか。その効果は分かるんだけど、でも科学的にはピンと来ないんだけど。
最後に…。本書の表紙をめくって、表題の書かれた次のページに書かれている言葉。
チャールズ皇太子に捧ぐという一文。いいなぁ、これ。意味は本書を読めば、すぐに分かります〜。
代替医療解剖 (新潮文庫) | |
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