宇宙はなぜこのような宇宙なのか/青木薫

宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 (講談社現代新書)』を読んだよ。人間原理、分からん。

科学読み物の翻訳では多くの本を出している青木薫氏。その翻訳には定評があり、アッシ自身、何冊も青木氏の翻訳本を読んでいるよ。そう、その読みやすさと分かりやすさが良かったから。で、今回は青木氏自身の著作本。翻訳作業を介さないので、必然的に読みやすいだろうと思っていたが、意外にもそうでもなく、後半の人間原理が出てきたあたりで、理解が怪しくなってきたよ。

で、本書。宇宙本ではお決まりの流れだけど、我々人類が紀元前の頃から、星の動きや地球の動きをどのように捉えてきたかを復習するところから始まるよ。

コペルニクスから始まって、ガリレオニュートンアインシュタインなど、そうそうたるメンバーが宇宙をどう捉えていたかのお話。でも、本書のキーワードは人間原理なので、彼らの考えた科学と人間との位置関係というか立ち位置について、少しづつ言及していく。ところが、科学とは、本来人間の存在とは無関係に成り立つ普遍的なものと考えられていたから、人間原理は科学者にとって、重大な問題になってしまったわけ。

さらに、人間原理は何を導き出したか。それは、宇宙は無数に存在し、その中でたまたま人間が存在可能な宇宙があっただけだということ。そう、これは何とも宗教的な匂いがして、科学者が最も嫌うもの。

そして、近年の傾向として、人間原理から導かれる「宇宙論は環境科学になった」という見解。つまりは、

じっさい、「すべてを含むひとつのもの」だったはずの「宇宙(ユニバース)」が、ローカルな「環境」にすぎなかったとなれば、それはまさしく宇宙観の革命的転換である。
と説明しているよ。そう、「多宇宙(マルチバース)」とか、最近では「巨大宇宙(メガバース)」とか。そう考えていくと、結局は宇宙論ってどこまでいってもキリがないような気がしてくるんだけど…。無限地獄ってこのこと?あるいは、無限という概念をきちんと整理する数学的手法を使って解決するとかしかないのかなぁ〜。あ〜、分からん。
宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 (講談社現代新書)
宇宙はなぜこのような宇宙なのか――人間原理と宇宙論 (講談社現代新書)青木 薫

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