白きたおやかな峰/北杜夫

白きたおやかな峰 (河出文庫)』を読んだよ。結末を知りたい…。

北杜夫の名は子供の頃から知っていたけど、どくとるマンボウとかのイメージしかなくて、何だか子供っぽいなぁ〜と思っていたので、この年まで読んだことがなかった。でも、北杜夫の著作の中で、いわゆる山岳小説があるのを知り、本書に興味を持ったわけ。

本書は、一応小説ということになっているけれども、1965年のカラコルムの巨峰ディランへの遠征記録になっているよ。北杜夫はこの遠征に医師として参加し、小説の中では「ドクター」というニックネームで登場しているよ。

その遠征は実際はどうだったのか。それは本書を読んでいただくしかないけれども、それなりに波瀾万丈、ハラハラドキドキの山行になるわけ。それでも、途中で愉快な話も混じってくるところが、北杜夫らしいのかもね。

では、北杜夫の山に対する思いはどんなだったのか。

彼は、自然がこのように空曠に、死に耐えながらも豊饒に、厳然とした大王国を成して存在するのを見るのが嬉しかった。それはちっぽけな人間を拒否し、無視し、あまりに傲然と君臨していた。いかなる人為的なものの侵蝕をも許そうとせず、太古さながらに聳え、拡がっている大自然を眺めることは、心を突つき、ふしぎに嬉しく戦慄させた。
と、小説の中のドクター。そう、日本の山であっても、こう思うことがあるんだから、カラコルムの巨峰だったら、尚更だよね。そして、
地球は、まだまだ見捨てたものではない、とドクターは思った。
とも。見捨てるわけにはいかないし、見捨ててしまったら人類は終わりなんだけど、どうしてもそう思ってしまうんだよね。人間って。

さて、気になるのはこの遠征の結末。モタ・サーブ、タシロ・サーブの二人の運命は…。コックのメルバーンの気持ちが読者の気持ちを一番良く表していました。

白きたおやかな峰 (河出文庫)
白きたおやかな峰 (河出文庫)北 杜夫

河出書房新社 2012-03-03
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