総会屋錦城/城山三郎

総会屋錦城 (新潮文庫)』を読んだよ。昭和の香り…。

以前に読んだ本に、幾つかの経済小説が紹介されていて、その中の一つだったのが、この『総会屋錦城』。経済小説っていうか企業小説という紹介だったかも。以前に読んだ『マグマ』もその繋がりだったから、企業小説も結構面白いなと思い始めているところで、本書。

本書はタイトルである『総会屋錦城』の他、7篇の小説が収められているけれども、どれもが昭和30年代前半にあちこちの小説雑誌に発表されたもの。だから、まさに高度経済成長が始まろうとしていただろうし、逆に戦後を多少は引きずっていた時代でもあったわけ。
小説の背景はそんな時代なんだけど、登場する人物たちは、そんな時代背景とは関係なく、人間らしく、日本人らしく、現代の企業人となんら変わりはないように描かれているよ。『総会屋錦城』の錦城にしても、一人の父親として、且つ夫としての人間であったことが分かるし。

そして、それぞれの物語で主人公の男性に絡んでくる女性。アッシ的には、どの女性も気に入らない。何だか酷く自分勝手な感じに思えるから。主人公を助けるように思えて、結局は裏切るパターンとかが多い感じ。このパターン、主人公を盛り上げようとする筆者の作戦かもしれないけど。

アッシの読みたい本リストには、まだまだ企業小説有り。理系本の合間に、アクセントとして読み続けたいと思います〜。

総会屋錦城 (新潮文庫)
総会屋錦城 (新潮文庫)城山 三郎

新潮社 1963-11-07
売り上げランキング : 100073


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

応援クリックはこちら→にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ