独断流「読書」必勝法
『独断流「読書」必勝法』を読んだよ。清水センセーの文学講座。
内外の小説を筆者独自の視点からあれこれと語ったもの。例によって、西原画伯の絵が強烈。
まずは海外作品。アッシ的には殆ど読んでいない。『ロビンソン・クルーソー』だけか。民俗的な知識がないから、遠慮しがち。そして、今になって読む気になっているかというと、やっぱりそうでもない。
そして、日本文学。全体的な印象なんだけど、近代日本文学って結構エロチックなものが多いなぁ〜って感じ。だけど、微妙な表現でそれを表したりしていて、いかにも文学的。表現の規制の為に、そうならざるを得なかったんだろうけど、そういう表現を通して、昔の人たちは小説を楽しんでいたんだろうね。特に泉鏡花の『高野聖』なんて、怪異譚の中にエロチック。そんな話だなんて知らなかったアッシ。
もうひとつ。『ぼく東綺譚』のシーン。長いけど、本書から引用。
玉の井はよく知られた色街のひとつである。このシーン、要は色街で客になったということだと筆者。大人の小説だ。
そこで、煙草屋で煙草を買ってつり銭を待っていると、ふいに激しいにわか雨になる。傘を持っているのでそれを広げたところへ、いきなり後方から、「檀那、そこまで入れてってよ」と若い女に声をかけられ、相合傘はためらわれるので傘を貸す。
そして女の家に行き、つい、一時間ばかりをそこにすごす。
文中に書かれていないことも、知識と想像力で補完して楽しむ。なかなか小説を読むのも、難儀なことだなぁ〜。
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