森林からのニッポン再生

『森林からのニッポン再生』を読んだよ。山村暮らしに憧れはあるけど〜。

本の森林を取り囲み、様々な視点から森林を語る本だよ。単なる自然学ではなく、どっちかというと社会学系の本かも。だから、森林というより、林業をイメージしたほうがいいかも。

森林に対する一般的な「常識」も覆す話題もあるよ。っていうか何度もそんな話が出てくる。世間の「常識」とは、単なるイメージでしかなく、実際とはかけ離れている場合が多いよね。
例えば、天然林と人工林。どちらが優れているかなんて一概には言えない。でも、イメージとして、「天然林>人工林」という「常識」はあるかも。環境にやさしい人工林だってあるし、生物多様性の高い人工林だってあるってわけ。

そして、自然と人との関係性。

人間と自然を対立物として見るから、人がいなくなっても自然は困らないと思いがちだが、実は自然も人間に依存している面があり、人がいなくなると困るのではないか。
人間は、否応なくキーストーン種になった。キーストーンとは、生態系全体に影響を及ぼす核となる生物種のことだ。
<中略>
もし人間がいなくなれば、自然界も大変動を引き起こすだろう。
…と筆者。まさにおっしゃる通り。「自然とはシステム」であるというのも、この一文が意味することを同じだよね。

最後にマニアックな薀蓄を。
明治の半ば頃、もっとも人口の多い都道府県は、新潟県だとさ。米どころとして人口扶養力が高かったからとの分析。

森林からのニッポン再生 (平凡社新書 (380))
森林からのニッポン再生 (平凡社新書 (380))田中 淳夫

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