ある漂流者のはなし

『ある漂流者のはなし』を読んだよ。人間の生きる力とは…。

2001年の夏、長崎県から銚子沖まで、小さな漁船で37日間漂流した武智さんのドキュメント。

それにしても、壮絶な漂流記。漂流記と言えば、大黒屋光太夫の話を思い出すけど、こちらは現代。しかも単独。
って言うか、壮絶でない漂流記なんて考えられないけど。

やっぱり、漂流の苦しさは水だよね。漂流の後半は水の話ばかり。海水を沸かして、蒸気を舐めたりの創意工夫をする。でも、最後はその気力もなくなるんだけど。
海が時化たのに、雨が一滴も降らなかったというのも不思議な感じ。素人的には、海が時化るのは台風とか嵐っていうイメージがあるから。

武智さんの人生も平行して語られる。漂流中は色々なことを考える。自分の人生を振り返る。普通の生活をしていれば、そんなことは考えないんだろうけど。

そして、今の武智さん。漂流のことは何も思い出さないと言う。これもまた不思議な感じ。自分のこととして捕らえられないくらい、壮絶な37日間だったということなのかなぁ〜。

ある漂流者のはなし (ちくまプリマー新書(014))
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