素数ゼミの謎

素数ゼミの謎』を読んだよ。数学と生物学の見事なコラボレーション。

アメリカに13年、あるいは17年に一度だけ大量発生するセミがいるという。大量発生の数も半端じゃない。50億匹だとか。想像を絶する数。しかも狭い範囲での発生だから、平均すると1平方メートルに40匹。うるささも想像外だよね。

解明すべき謎は、「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」、「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大発生するのか?」、「なぜ13年と17年なのか?」の3つ。

はじめの2つの謎は、まさに地球の歴史と直結しているよ。地球が誕生してから46億年。その間に何度となく訪れた氷河期。セミという生物の歴史も古いらしく、現在まで生き残っているものは、その氷河期を何とか生き延びたセミたち。その結果が「長年かけて成虫になる」セミを誕生させたわけ。そして「同じ場所で大量発生する」原因も氷河期にかろうじて氷河に覆われなかった場所があったことに起因する。

さて、3つ目の謎はどうか?
13と17が素数だということがポイント。素数の最小公倍数は、大きな数字になるという性質。確かに、素数が絡む最小公倍数はスゴク大きな数字になる。これは周期が異なるセミが同一年に発生するタイミングを意味することになる。
そして、これに進化論が絡む。周期が異なるセミが同じ年に発生すると交雑が起きて…。
アッシの謎解きはここまで。ここで答えを言ってしまうのは勿体ないので、本書を読むことをお勧め。

壮大でちょっとロマンチックな素数ゼミの話は、アッシにとって、ちょっと感動のいい話でした〜。

素数ゼミの謎
素数ゼミの謎吉村 仁

文芸春秋 2005-07-12
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star数学って、…快感!
starこんなに情報量の多い本はない
starなぜ素数なのか?著者の教育的配慮はいいが、書としての情報量は少ない

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