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限界費用ゼロ社会/ジェレミー・リフキン

…本主義は縮小し、経済生活を構成する主要なモデルとして協働型コモンズが台頭してくる。といった感じ。一応、ストーリーになっているよね。そして、それを支える3つのインフラ。それは、インフラには三つの要素が必要で、そのそれぞれが残りの二つと相互作用し、システム全体を稼働させる。その三つとは、コミュニケーション媒体、動力源、輸送の仕組みだ。これらの有り様が劇的に変化することも重要な要素ということ。そして、共有型経済への移行は必然になっていくんだよね。最後は人間の価値観の変化。生活の大半…

インド旅行記1 北インド編/中谷美紀

…体験。食べ物、風習、生活、文化といろいろあるけど、結局は人間が定めたカーストという制度によって、人間の価値まで定められてはたまらないと憤りを覚えるものの、よそから来た人間にはヒンドゥー教の 輪廻思想と密接に繫がったその根深い仕組みについて触れるだけの知識も術もないので、「それがこの国のありのままの姿なのだ」と 捉えるよりほかないのだろう。と受け入れることがよいのかと…。頭で考えるのではなく…ということなんだろうと思う。さらには、人種の坩堝と宗教対立に、食べ物の違いもあるわけで…

有頂天家族/森見登美彦

…にはこんな感じで狸が生活しているのかと想像するだけでも楽しめるかもしれないね。物語は下鴨家という狸の一家を中心に展開する。両親のもとに4人の男兄弟。それぞれに特徴があり、それに相応しい活躍をする。その下鴨家に哲学は「阿呆であること」。「そりゃ、おまえ、阿呆の血のしからしむるところさ」と次兄は笑った。とか、我らの父も、その父も、そのまた父も、下鴨家の狸たちは代々その身のうちに流れる阿呆の血のしからしむるところによって、ときに人間を化かし、ときに天狗を陥れ、ときに煮え立つ鉄鍋に転…

ウォールデン 森の生活/ヘンリー・D. ソロー

『ウォールデン 森の生活』を読んだよ。単なるアウトドアライフではなく。かれこれ2年以上も前にKindle本として購入していた本書。上下巻で600頁を超える大書でもあるので、読み始めるのに二の足を踏んでいたけど、いよいよ読み始める。読書の秋だし。 タイトル的には当然にして、森でのアウトドアライフをどう楽しむかといったものを想像していたんだけど、そうはならず。自然観察は当然として、そこから地学や生物学の新たな知見を発見したり、政治、社会、経済といったソローの思いを書き留めた文章と…

最後の秘境 東京藝大/二宮敦人

…る。そう、まさに大学生活を謳歌している大学生なんじゃないかと思えてきた。おっと、いきなり結論じみたことを書いてしまったけど、本書は一般には知られていない東京藝大の学生と彼らの生活をインタビューを通して、まとめたもの。その前に、筆者の妻が藝大生っていうところからスタートするんだけど。そして、その“妻”だけではなく、どの学生たちも人として生きるということを真剣に考えている。いや、それは芸術という行為を通しての話で、直接的に考えているというわけではないけど。では、藝大生たちの芸術に…

自由と規律/池田潔

…規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)』を読んだよ。メリハリ、効かせ過ぎ。「イギリスの学校生活」という副題で、イギリスのパブリック・スクールであるリース校の話を中心にまとめたもの。もちろん、筆者はそのリース校の出身で、その後ケンブリッジ大学に進学しているということで、当地の教育事情はある程度掴んでいた上でのこのお話。まずは、パブリック・スクールの紹介。パブリックというからには公立か?と思うけど、実は私立学校。どうして“パブリック”なのかも謎だし、だったら呼称を変えればと思うけ…

大いなる決断/柳田邦男

…なる日本の経済構造と生活様式のパターンが形成された「転換」の時代としてとらえるのが、よいのではないかと思う。それはまさに「経済元年」と呼ぶべき時代であった。「転換」期には、激動のドラマがある。と。いや、ドラマを超えた現実が凄いんだけどね。その凄さは本書を読めばよく分かるよ。これがあったからこそ、今の時代があるんだよね。改めて、日本人って凄いなぁ~と思ったわけでした~。大いなる決断 (講談社文庫 や 2-1)posted with amazlet at 19.01.27柳田 邦…

ロビンソン・クルーソー/ダニエル・デフォー

…半はある島に漂着し、生活を定着させるという物語。難破船から荷物を引き上げるのも一人ではままならず。とは言っても、貴重は物資は無駄にしてはならずということで、創意工夫が始まる。そして、寝床、食料の確保、外敵からの自衛など、やることは山のようにある。逆に言うと、それしかやることはないので、時間はすべてその活動に使えるってこと。さらには、穀物生産や家畜を増やすことなどにも挑戦し、成功していく。途中、自分の境遇についても思考を巡らす。いまやわたしは、どんなにみじめな環境にあっても、わ…

スギナの島留学日記/渡邊杉菜

…そして、3年間の高校生活で様々なことを体験していく。そして、本書はその記録。筆者以外にも、関わった人物も筆を取り、1冊にまとめているよ。では、隠岐島前高校ではどういう教育が行われているのか。ひとつの事例として、公立塾「隠岐國学習センター」での「夢ゼミ」。当然ながら隠岐島前高校と連携していて、このゼミが行われている。スギナちゃん曰く、でも、「夢ゼミ」での「なんで?」という問いかけが、一歩も二歩も踏みこんだ調べ方・話の聞き方を身につけさせてくれました。そのうえ、地域や社会全体がか…

さらば国分寺書店のオババ/椎名誠

…間というものは自分の生活にとってそんなに深い関係があるわけでもないのに、そこに黙って存在していれば安心し、なにかの都合で急になくなってしまった、ということになると、その空虚感は思いがけないほど大きなものになるらしいのだ。とシーナ氏。今回、改めて読み返してみるとこんなストーリーがあったんだね。自分の初読は文体と表現に圧倒されていただけで、終わってしまっていたんだろうね。改めてシーナ文学の魅力を知りました〜。っていうか、これって文学か?さらば国分寺書店のオババ 「椎名誠 旅する文…

小説 君の名は。/新海誠

…が昇る。無数の窓を、太陽が順番に光らせていく。朝の人波、昼のざわめき、カタワレ時の生活の匂い、夜の街の煌めき。と。朝の描写でもこれだけ違うのかと、改めて納得。題名のつけ方もマーケティング的に考えているのかな、なんて思う。自分以上の世代でも「君の名は」に反応する人は多いだろうからね。小説 君の名は。 (角川文庫)新海 誠 KADOKAWA / メディアファクトリー 2016-06-18売り上げランキング : 7Amazonで詳しく見る by G-Tools応援クリックはこちら→

アンダーグラウンド/村上春樹

…いつもどおりの普通の生活を続けているんです。道路には普通に車が走っているんです。あれは今思い返しても不思議なものでしたよね。そのコントラストが、ものすごく不思議だった。という証言。異常事態(非日常)のすぐ隣に日常が流れているってこと。東京都心という場所だからこそのコントラストなんだろうね。ちょっと怖い気もするけど、前述の「それでも会社に行こうとした。」ということが普通に起こり得るんだよね。最後に筆者の言葉。私たちはこの巨大な事件を通過して、いったいどこに向かって行こうとしてい…

27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力/グロービス経営大学院

…し続けるために、日常生活そのものを、学び続けるサイクルにするためのもの」 と位置づけて紹介していきます。そう、これはまさに学びのPDCAサイクルの確立ってこと。そのために、何をどのようにしていったらいいのかを、まとめて紹介しているよ。でも、学びって範囲が広くて、どれをどのように?って考えてしまうけど、結局は、変化が激しい今の時代に置いて、普遍的に学べることは、唯一「学び方」そのものかもしれません。ってこと。学び方を学ぶこと、これは意外に重要なんだよね。で、その学び方。重要なの…

ゲゲゲの女房/武良布枝

…る筆者。そして、貧乏生活から抜け出て、売れっ子漫画家になる水木しげる。生活がガラッと変わってしまうが、ベースとなるポリシーは変わらない二人。晩年。自身の人生を振り返って筆者は、人生は入り口で決まるのではなく、選んだ道で「どう生きていくか」なんだろうと、私は思います。と。自身の生き方もそうだったんだろうけど、水木しげるの生き方も同じだったんだろうね。いい話を読ませていただきました。ゲゲゲの女房武良 布枝 実業之日本社 2011-09-20売り上げランキング : 37150Ama…

教育とは何?/尾木直樹,茂木健一郎

…的。それぞれの家庭が生活に根ざした独自の伝統的な価値観を持っていたんですよね。今、まるで逆です。学校の価値観の中に同心円状に各家庭がストンとはまってしまっている。むしろ家庭のほうが求めている。そう、家庭は学校に丸投げしたがっている。丸投げされた方は一斉教育をやるしかない…という悪循環。どっちが悪いっていうことではないけれども、やっぱり、ここでも日本の教育に「そもそも論」が抜け落ちていないか…。最後に尾木ママのイメージ。思ったより過激。「闘う」という単語が出てきたり。「そもそも…

シンギュラリティ・ビジネス/齋藤和紀

…に到達した後、人々の生活はどうなるのか?AIがすべての仕事をこなす世界では、人間としての尊厳は?とかいった哲学的な話になるよね。それに対して、エクスポネンシャルな社会変化に人間の「心」が追いついていけなかった場合、それは「ユートピア」ではなく、AIに支配される「ディストピア」になってしまうかもしれないのです。と筆者。やっぱり、そのための準備が必要なるんだろうね。若い人たちは心に留めておいてほしいなぁ…。そして、この変化が現実なんだということをきちんと理解してほしいと思う。いか…

百姓たちの江戸時代/渡辺尚志

…違えども、今の我々の生活とそれほど変わりがないような…。最後は百姓一揆について。江戸時代の後期になると訴状の用例集のようなものが流布し、それを元に一揆の訴状が作られるようになったとか。こういうものが読めたり書けたりするようになったのも、寺子屋による教育の成果なんだろうね。百姓を侮るなかれと思うし、学ぶべき点が多くあるということを知ることも、歴史を学ぶ意味があるんだろうね。百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)渡辺 尚志 筑摩書房 2009-06-01売り上げランキング :…

身近な鳥の生活図鑑/三上修

『身近な鳥の生活図鑑 (ちくま新書)』を読んだよ。よく見かけるのに知らないことばかり。街なかでよく見かける鳥と言えば、スズメ、ハト、カラス。本書はこれらの鳥の生活をじっくり観察する本。どうして、これらの鳥なのか。それは観察のしやすさ。人を恐れず、逆に近づいてくることもあるくらいだから。高性能なカメラとか望遠レンズも不要で、ちょっとした写真が撮れてしまうほど。まずはスズメ。その害虫駆除効果って大きいみたい。我々にとって邪魔になる雑草の種を食べ、害虫も駆除してくれます。実際、スズ…

日本ジジババ列伝/清水義範

…その老人たちの普通の生活を粛々と描いたもの。何の装飾もなく、何の仕掛けもなくと、ある意味で退屈な小説なのかもしれないけど、読後にじわっと来る感じかな。例えば、79歳で世界旅行を楽しむお婆さんの言葉。「年寄りの目にも、若い人の目にも、初めて見るもんは同じ珍しさだで。そうだないかね。若い人と同じように、年寄りも楽しめるわけだがね。」と、老人でも世界旅行を楽しめる理由を語っているよ。うん、一理あるし、こういう発想ができるってことは気持ちが若い証拠だよね。そして、社会が老人をどう見て…

わしらは怪しい探険隊/椎名誠

…各地の離島でキャンプ生活を楽しむというもの。三島由紀夫の『潮騒』の舞台となった三重県神島でのキャンプが中心になるんだけど、途中で八丈島での話になったり、新潟県粟島での話になったり、飛びまくる。さらに、登場人物も多数なので、彼らの紹介と合わせて逸話が満載され、キャンプの話を人物の話がどっちが主題だか分からなくなったり。そして、特徴的な文体。『オババ』はスーパーエッセイなんて呼ばれていたけど、その特徴は長い文章とそれに連動する形容詞句と副詞句の繰り返し。文章が長いと読みにくいって…

「A」/森達也

…中心に、オウム信者の生活を撮影し続ける。当然にいろいろな事件が起こるわけ。筆者にも荒木浩にも。メディアとの軋轢、警察との対決。家族との関係。微妙なバランスを保ちながら、動いていく。 筆者は、「オウムの内部」と「包囲する社会」、この二つの対峙がこの作品の主眼だとしたら、荒木浩はその狭間でもがいている。どちらにも属せず、二つの言語を翻訳できず、煩悶し続けている。そしてどうやらこの亀裂に、この僕自身もいつのまにか落ち込み、まるで荒木浩と鏡面を挟むように、相似形で困惑し、身悶えし続け…

天国までの百マイル/浅田次郎

…位に立つ。自分たちの生活が中心になると母親の存在が希薄になっていく。そんな背景の中で主人公である安男の生き方を追っていく。安男にも生活がある。ちょっと複雑な生活なんだけど、それがまたこの物語を盛り上げているわけ。そして、それぞれの人にとって、幸福とは何なのか。安男の母親の幸福は母にとっての幸福は、「希望」そのものだった。希望が叶えた幸福は実は母の幸福ではなく、希望にすがって生きていたあのころが、母にとって最も幸福な時代だったのだ。と表現されているよ。安男にとっての幸福、マリに…

メソポタミア文明入門/中田一郎

…、文化、宗教、人々の生活など、かなり詳しく説明しているよ。メソポタミア文明は今から3000年から4000年前の時代。場所はチグリス川とユーフラテス川の周辺。そう、「チグリス・ユーフラテス」って言われれば、中学の時の歴史を思い出す。 そんな時代と場所の人々の生活はどうだったのか?それは基本的な部分で現代とあまり変わらず。だから、「ハンムラビ法典」に書かれていることは、今の法律と変わりがないわけ。例えば、弱者救済、医療過誤、製造物責任とかまで規定されている。製造物責任なんて、日本…

アンネの日記/アンネ・フランク

…それなりの制限のある生活だったけど、それよりも一人の人間としての気持ちが伝わってきたかな。そう、素直な気持ちで書けたのは日記だから。わたしがきまってこの日記帳にもどってくるのは、それだからなんです。キティーはいつも辛抱づよいので、このなかでなら、わたしの言い分を最後まで聞いてもらえるからなんです。とアンネ。日記のことを「キティー」と名付けて、語るように書いているんだよね。日記の後半になると、生死のことも考え始める。周囲のみんなの役に立つ、あるいはみんなに喜びを与える存在であり…

森の暮らし、森からの旅/加藤則芳

…だよ。あこがれの森の生活。筆者の加藤則芳氏の著作は『ぼくのペンションは森のなか』から始まって、幾つも読んできたよ。そして、今回は八ヶ岳ものの一冊。月刊雑誌『月刊リゾート物件情報』に連載されていたものをまとめたもの。タイトル的には別荘地の広告雑誌っぽいけど…。 『ぼくのペンションは森のなか』は八ヶ岳の中でも南東山麓の大泉高原。行政区は山梨県北杜市。以前の大泉村。そして、今回の舞台は南西山麓の富士見高原。行政区は長野県富士見町。ペンション村がある原村の南隣という感じ。で、内容はエ…

垂直の記憶/山野井泰史

…きられないし、都会で生活していると落ち着かず、すぐにでも雪と岩と氷の世界へ戻りたくなってしまう。僕は上に向かって前進しているときが、一番幸せのような気がしてならない。マナスルが僕を痛めつけようとしたのではなく、僕がミスを犯しただけなのである。どれもが山への思いが強く感じられる言葉だよね。そして、本書の中で壮絶な登攀が最終章の「ギャチュン・カン北壁」。妙子夫人と登るのだが、文字通り、九死に一生を得るという言葉が相応しいほどの登攀。それでも、山に行くという山野井氏。僕は、日常で死…

天国にいちばん近い島/森村桂

…越えて、徐々に現地の生活に溶け込んでいく。そして、ある日本人との出会い。その交流の中で、それにしても、英語のほんのかたことしか通じないこの人たちとの会話。それが、あの同じ日本語を話す青木氏たちとのおかしな会話よりも、ずっと通いあうものがあるなんて、いったいどういうことなのだろう。という筆者の思い。よくあるパターンかもしれないけど、コミュニケーションは言葉ではないってことだよね。だから、人間って不思議。今はすっかり観光地になってしまった感じのニューカレドニア。筆者が二度目の来訪…

森の聖者/加藤則芳

…若い頃はとにかく放浪生活。地質学や植物学を学び、アメリカの山を歩き回り、フィールドワークする。だから、自分の住所は地球という惑星であるという意識。例えば、日誌の背表紙には「ジョン・ミューア、惑星=地球、宇宙」と書き込まれていた。という感じ。ただ、ある意味、家族との訣別のための決心だったのかもしれないね。ただ、放浪するだけでのミューアではなく、社会的な活動者としてのミューアがその後に登場するよ。つまりは、しかし、社会から隔絶されたところで、自らの喜びのために、静かで平穏な生活を…

旅路/藤原てい

…ると、今の自分たちの生活って何だろうって思うし。で、物語は筆者である藤原てい氏の半生記。 『流れる星は生きている』は新京から引き揚げる場面から、長野の実家に帰り着くところまでで終わっているけど、本書ではさらに時間を前後に伸ばし、学校に通い教員を目指していた頃から始まる。そして、新田次郎との結婚。中盤からは『流れる星は生きている』とほとんど重複。っていうかダイジェスト版という感じ。とは言え、その内容に猛烈に引き込まれ、あっという間にページが進んでいったのは、『流れる星は生きてい…

ロハスの思考/福岡伸一

…トコトってエコっぽい生活ってイメージだから、ロハスもそれに同義なんだろうね。よく見たら、01という連番が振られていた。どういう品揃えになろんだろうか…。本書の原本は、雑誌『ソトコト』に連載されたものが中心。そして、福岡ハカセだから、論考の中心はやっぱり「動的平衡」。例えば、我々はなぜ食べ物を摂らなくてはならないかという疑問に、それは生きるということが、私たち自身の身体を、地球における分子の大循環の中にさらして、環境そのものに参加するということにほかならないからである。と答えて…