天国までの百マイル/浅田次郎

天国までの百マイル』を読んだよ。人生は理屈じゃない。

母親ひとりに子供が4人。無事に育て上げて、それぞれが独立してある程度の社会的地位に立つ。自分たちの生活が中心になると母親の存在が希薄になっていく。そんな背景の中で主人公である安男の生き方を追っていく。

安男にも生活がある。ちょっと複雑な生活なんだけど、それがまたこの物語を盛り上げているわけ。

そして、それぞれの人にとって、幸福とは何なのか。安男の母親の幸福は

母にとっての幸福は、「希望」そのものだった。希望が叶えた幸福は実は母の幸福ではなく、希望にすがって生きていたあのころが、母にとって最も幸福な時代だったのだ。
と表現されているよ。

安男にとっての幸福、マリにとっての幸福、母親にとっての幸福。それぞれがちょっとずつ違う。でも、それがある瞬間でかみ合ったりすることもある。それが人生っていうものなんだろうけど、悲しい気もするよね。そう、理屈じゃないってそういうこと。じんわりくる物語でした〜。

天国までの百マイル天国までの百マイル
浅田次郎

朝日新聞出版 2000-11-01
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