百姓たちの江戸時代/渡辺尚志

百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)』を読んだよ。現代とそれほど変わりはなく。

江戸時代の普通の人々の暮らしについて、事例を多く盛り込んで詳しく紹介する本。ここで、普通の人々とは具体的には百姓のこと。網野善彦先生によると、「百姓とは農民にあらず」ということだけど、本書を読むと確かにそれは言えるんだろうなぁ〜と思えてくる。勿論、農業が主たる収入源だったのは確かなんだけど、それ以外にも様々な活動を行っていたことが本書を読むと分かるよ。

さらに筆者の考える百姓と農民との違いを、

農民は原始・古代以来存在していましたが、十五世紀頃まではその経営は不安定で、安定した家産を継続的に維持することは難しく、したがって家も広範には成立しえなかったのです。江戸時代は、百姓が一般的に家を形成したという点で、日本史上画期的な時代だったといえます。
と表現しているよ。そう、家という観点から百姓と農民は違うんだよね。

そして、実際の人々の暮らし。衣食住や娯楽、病気、介護や所属する村や村民との付き合いなど、資料をベースに詳しく説明しているよ。これを見ると、その手段は違えども、今の我々の生活とそれほど変わりがないような…。

最後は百姓一揆について。江戸時代の後期になると訴状の用例集のようなものが流布し、それを元に一揆の訴状が作られるようになったとか。こういうものが読めたり書けたりするようになったのも、寺子屋による教育の成果なんだろうね。

百姓を侮るなかれと思うし、学ぶべき点が多くあるということを知ることも、歴史を学ぶ意味があるんだろうね。

百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)
百姓たちの江戸時代 (ちくまプリマー新書)渡辺 尚志

筑摩書房 2009-06-01
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