ゲゲゲの女房/武良布枝
『ゲゲゲの女房』を読んだよ。ごく普通の人生。
NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の原作本。この番組の放送は2010年の春秋だったけど、なぜか自分も見ていたのをよく覚えている。普段はNHK連続テレビ小説を見ることはないから、不思議。余談だけど、NHKの番組Webページを見ていたら、登場人物に今人気の星野源が…。意外にこういうことって多いよね。
内容としては、漫画家水木しげるの妻・武良布枝が著した自伝エッセイ。とはいえ、本人のことよりも、夫・水木しげるのこともかなりの分量で書かれている。ん?もしかしたら、水木しげるのことの方が多いかも。
自伝だから、まずは自身の生まれ育った街のこと。島根県安来市。そこでは、
目には見えないけれども、私たちを守ってくれる神様や、無礼を働いたら怒って 災いを引き起こす存在が、いたるところにいるということを、町の人たちみんなが肌で感じ、心から信じていました。それは、怖いことではなく、むしろこの町に住む安心感につながっていました。私が、魂や神様、仏様を身近に感じるようになったのも、こうした古里があったからだと思っています。という経験。これは、のちの水木しげるの妖怪を扱った漫画に繋がっていくよね。水木しげるとの縁というか。
そして、結婚。水木しげるの仕事ぶりについて、
精魂こめてマンガを描き続ける水木の後ろ姿に、私は正直、感動しました。これほど集中してひとつのことに打ち込む人間を、私はそれまでに見たことがありませんでした。という思い。見合いをして5日後には結婚というスピードだったけど、こんな夫の様子を見て、尊敬の念さえ抱くようになる筆者。
そして、貧乏生活から抜け出て、売れっ子漫画家になる水木しげる。生活がガラッと変わってしまうが、ベースとなるポリシーは変わらない二人。
晩年。自身の人生を振り返って筆者は、
人生は入り口で決まるのではなく、選んだ道で「どう生きていくか」なんだろうと、私は思います。と。自身の生き方もそうだったんだろうけど、水木しげるの生き方も同じだったんだろうね。いい話を読ませていただきました。
ゲゲゲの女房 | |
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