インド旅行記1 北インド編/中谷美紀
『インド旅行記1 北インド編』を読んだよ。
女優の中谷美紀のインドの旅エッセイ。シリーズものになっていて、本書はその1北インド編。自分はインドの地理が頭に中にないのでイメージでしか言えないけど、ニューデリーの周辺からチベットの麓までの辺りだろうか。
それにしても、女一人旅でなぜインド?という気がするけど、そもそもは「本場でヨガ体験」ということ。映画の撮影が終わり、疲弊していたという背景もあったみたい。女優とは精魂共に尽き果てる職業なのか…。
そして、実際のインドで強力な異文化体験。食べ物、風習、生活、文化といろいろあるけど、結局は
人間が定めたカーストという制度によって、人間の価値まで定められてはたまらないと憤りを覚えるものの、よそから来た人間にはヒンドゥー教の 輪廻思想と密接に繫がったその根深い仕組みについて触れるだけの知識も術もないので、「それがこの国のありのままの姿なのだ」と 捉えるよりほかないのだろう。と受け入れることがよいのかと…。頭で考えるのではなく…ということなんだろうと思う。
さらには、人種の坩堝と宗教対立に、食べ物の違いもあるわけで、どう考えてもトラブル無しでは生きられないのではないかと思うけど、
もちろん私などの心配が及ぶ余地はなく、彼らには彼らの暮らし方があるのだろうから、放っておけばいいのだけれども。と、一種の開き直りも必要になってくる。
ヨガの話も多いけど、やっぱり食べ物の話も多い。
豆の粉にキャベツやニンジン、タマネギなどの野菜をスパイスとともに混ぜ、焼き串に棒状に貼りつけて竃で焼いた熱々のそれは、外側がサクッとして、歯ざわりがよく、くせになるおいしさだった。など、詳しい解説もあるけど、登場するのはカレーが最多かな。
最後にインドについて、一言。
しかし、ここはインドだ。完璧を求めてはいけないのよね。うん、これしか無さそう。でも、シリーズの次はあるかな…。微妙だな。