スギナの島留学日記/渡邊杉菜

スギナの島留学日記 (岩波ジュニア新書)』を読んだよ。教材の質。

『未来を変えた島の学校』を読んだ際に、参考文献として掲載されていた本書。副読本として良さそうだと思っていたので、読みたい本リストに上げていたんだけど、サックリ読めそうだったので、すき間的に読んでみる。

本書の筆者は、隠岐島前高校の生徒だった渡邊杉菜氏。そして、島外からの入学者。『未来を変えた島の学校』に書かれていたように、隠岐島前高校の島外生徒を積極的に受け入れるという方針のもと、入学したひとり。そして、3年間の高校生活で様々なことを体験していく。そして、本書はその記録。筆者以外にも、関わった人物も筆を取り、1冊にまとめているよ。

では、隠岐島前高校ではどういう教育が行われているのか。ひとつの事例として、公立塾「隠岐國学習センター」での「夢ゼミ」。当然ながら隠岐島前高校と連携していて、このゼミが行われている。スギナちゃん曰く、

でも、「夢ゼミ」での「なんで?」という問いかけが、一歩も二歩も踏みこんだ調べ方・話の聞き方を身につけさせてくれました。そのうえ、地域や社会全体がかかえる問題がよく見えるようになってきました。
と。調べ学習の一端だけど、「なんで?」を繰り返すことで、より深く探求させているんだろうね。そして、かなり頭を使うだろうね。

その「隠岐國学習センター」のセンター長は「夢ゼミ」の学習について、

このように複雑に絡まるさまざまな課題の因果関係を具体的に書き出しながら、その連鎖のどこを断ち切るかを考える方法を「システムシンキング」と呼びますが、それを高校生たちは身近で具体的な問題を通じて学んでいるということです。
と言う。なるほど、システムシンキングか。これが身に付くと、人生の強力な武器になるよね。高校時代にこれが学べるのは羨ましい限り。学校教育はドンドンを変わっていくな…。

スギナの島留学日記 (岩波ジュニア新書)
渡邊 杉菜
岩波書店
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