教育とは何?/尾木直樹,茂木健一郎

教育とは何?-日本のエリートはニセモノか (中公新書ラクレ)』を読んだよ。尾木ママの意外な背景。

尾木ママこと尾木直樹氏と茂木健一郎氏の教育に対する思いを伝える本書。構成としては、法政大学女子高等学校で行われた二人の公開対談と、それぞれがリレー的に書いた教育論をまとめたもの、そして、それぞれのまとめという感じ。
尾木ママって、数年前からメディアでよく見かけるようになったけど、その人物も思想もまったく知らなかったので、ちょっと興味。茂木さんとセットだったこともあったし。

二人の主張に通底するものは、偏差値主義と一斉教育方式の打破。
まずは、偏差値について、茂木さん曰く、

よく、学力は必要だから偏差値も必要だという議論を見るが、お笑い種です。アメリカや英国にはそんな指標など一切ないが、優秀な学生も、卓越した大学もないというのでしょうか。偏差値を盲信する人は、それだけで、人間感や学力感が浅いと思います。
と、茂木節が炸裂。さらにメディアにも問題があるとし、日本のメディアは「そもそも論」のメタ認知を持つことが不得意だとも。そう、自分的にはこの「メタ認知」に反応したんだけど、日本人そのものが「メタ認知」的な考え方が不得意なんじゃないかと…。

一斉教育については、尾木先生のこの意見が象徴的。

それぞれの家庭が生活に根ざした独自の伝統的な価値観を持っていたんですよね。今、まるで逆です。学校の価値観の中に同心円状に各家庭がストンとはまってしまっている。むしろ家庭のほうが求めている。
そう、家庭は学校に丸投げしたがっている。丸投げされた方は一斉教育をやるしかない…という悪循環。どっちが悪いっていうことではないけれども、やっぱり、ここでも日本の教育に「そもそも論」が抜け落ちていないか…。

最後に尾木ママのイメージ。思ったより過激。「闘う」という単語が出てきたり。「そもそも論」で言えば、ママは闘う人なのかもね。

教育とは何?-日本のエリートはニセモノか (中公新書ラクレ)
教育とは何?-日本のエリートはニセモノか (中公新書ラクレ)尾木 直樹 茂木 健一郎

中央公論新社 2017-09-06
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