レインツリーの国/有川浩

レインツリーの国 (角川文庫)』を読んだよ。おじさんでも楽しめる。

図書館戦争』シリーズの第2弾である『図書館内乱』に登場する『レインツリーの国』という小説。この小説が本書であることはいうまでもないけれども、小説としてのこういう構成って何となく楽しいよね。芋づる式というか糸を手繰って、次の本にたどり着く感じで。

では、『図書館内乱』ではこの『レインツリーの国』がどういう位置づけになっているのか。メディア良化委員会という組織が「公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる」という名目で言論弾圧を行っているという設定のもと、この『レインツリーの国』を悪書とし、取り締まるというエピソードで登場するわけ。だから、『図書館内乱』を読んだら『レインツリーの国』を読みたくなるのは必然だよね。

小説の内容は、素直な気持ちで読めるので楽しいよ。
そして、「彼」の「彼女」に対する思い。

彼女は――彼女たちは、耳の不自由な分だけ、言葉をとても大事にしているのだ。第一言語として自分たちに遺された言葉を。その言葉を大事に使って、真摯に理屈を組み立てる。
そう、「彼女」の言葉の魅力は、メールのやりとりの中で十分に伝わってくるよ。理屈っぽくはないけれども、理路整然とした感じに惹かれるものがある。「彼」の気持ちがおじさんにも分かるなぁ〜。
レインツリーの国 (角川文庫)
レインツリーの国 (角川文庫)有川 浩

KADOKAWA/角川書店 2015-09-24
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