海の底/有川浩

海の底 (角川文庫)』を読んだよ。有川版ゴジラ

有川浩自衛隊三部作の第三部が本書。三部作のうち、本書が一番の痛快劇かも。それなりに実態のある敵が現れるからかな。有川版ゴジラだと思ったのは、そういう意味。

三部目に登場する自衛隊海上自衛隊。しかも、舞台は潜水艦。一般には知られることのない潜水艦だから、舞台としても意表を突く。そして、具体的な敵とは、巨大ザリガニ。だから、事件の名称は「横須賀甲殻類襲来事件」。この甲殻類が海から上陸し、人々を襲う。それと同時に、潜水艦にも襲来し、高校生以下の少年少女13人と海自隊員2人が潜水艦に閉じ込められる。

陸上での戦いは、警察(機動隊)と陸自で対応。でも、ここで興味を引くのは、警察と自衛隊の役割分担。なんせ、敵は人間ではないわけだから、それぞれの出番が微妙。どちらも(自衛隊は特に)法律の範囲を超えては活動できないわけ。それぞれの事情がよく分かる。

そして、潜水艦の中でもトラブル多発。『十五少年漂流記』ではないけれども、それぞれの人間関係が展開し、ちょっとだけ恋愛ものも混じってくる。海自隊員の二人は、『図書館戦争』の堂上と小牧を彷彿させるいいコンビ。二人が13人の少年少女とどう係わっていくかも見どころだよ。

さて、有川作品、次は何を読もうかな。

海の底 (角川文庫)
海の底 (角川文庫)有川 浩

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