グラスホッパー/伊坂幸太郎

グラスホッパー (角川文庫)』を読んだよ。殺し屋の世界を垣間見る。

自分的には初の伊坂幸太郎作品。どうしてこの作品になったのかというと、本屋の平台によく置かれていたので、目にすることが多かったから。単にカドカワ戦術にはまったのか。
amazonの解説をみると「分類不能の「殺し屋」小説!」ってことになるらしいんだけど、確かに本格的な推理小説でもないし、かといって分類不能と言ってしまうのもなんとも…。自分がこういう小説に慣れていないだけのような気もするけど。

主な登場人物は、「鈴木」「鯨」「蝉」という3人。後ろ二人はもちろんニックネームだけれども、最初の一人ももしかしたら、ニックネームかもしれない。あと、「槿」とか「比与子」とかも。現実と空想の入り交じる領域だよね。

さて、殺し屋の世界とは意外に哲学的。

「世の中の不幸の大半は、誰かが高をくくっていたことが原因なんだってば」
とか、
「世の中に酷くないことってないでしょ? 生まれた時から、死ぬのが決まってるというのがすでに酷いんだから」
とか、
つまり、あれこれ策を弄して、必死に頭を悩ますのは人間の悪しき点だ、と彼女は言いたかったのかもしれない。確かに、サッカーボールを蹴り合っていると、問題が解決に近づいている気がした。まるで近づいていないのに。
とか。それぞれが言われてみればそうなんだけど…という感じ。

最後に気になるのが、「鈴木」の元妻の

やるしかないじゃない。
というセリフ。この物語の根っこにあるのはこのセリフなのかもしれないね。
グラスホッパー (角川文庫)
グラスホッパー (角川文庫)伊坂 幸太郎

KADOKAWA / 角川書店 2008-02-01
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