キッチン/吉本ばなな
『キッチン』を読んだよ。印象に残らない小説。
吉本ばななのデビュー作ということで、積読状態だった本書。気になってはいたんだけど、読む気にならないっていう感じ。amazonの内容紹介では「世界各国で読み継がれるベストセラー」と書かれているので、期待もあったんだけど。
素直な感想は、す〜っと入ってきて、す〜っと出ていてしまうという感じ。だから、印象の残らないと書いたんだけど。インパクトがないというか。確かに、雄一の母親は元は父親だったとか、ちょっと変わっているな…という感じはするんだけど、何かが足りない。そういう観点だから、収録三編のうち、面白かった順序で並べてみると、「ムーンライト・シャドウ」、「満月―キッチン2」、「キッチン」になってしまう。
三編ともテーマは「生と死」かな。「満月―キッチン2」で、主人公曰く、
どうしても、自分がいつか死ぬということを感じ続けていたい。でないと生きている気がしない。だから、こんな人生になった。と。分かるような気もするけど、本当に人間てこんな風に考えながら生きているのか…と思う。
こういう小説って、何度も読むのがいいのかもしれない。気がつかなかったことに気がついたりして。と考えてしまうから、また積読本が増えてしまうわけでした。
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