青の数学/王城夕紀
『青の数学 (新潮文庫nex)』を読んだよ。青春小説。
新潮文庫から新しいブランドnexというのが登場。青少年対象ものを中心に展開しているみたいだけど、その中で8月に出たのが本書。自分的には単に「数学」という文字に惹かれただけ。あと、新ブランドの目新しさかな。
青少年というか中高生向けと言ったほうがいいかも。主人公は高校生。そして、数学が好き。数学好きが集まるWebサイトで「決闘」したり、合宿があったり。合宿と言っても、単に勉強するわけではなく、問題を解く競技に参加するって感じ。数学マラソンっていうか。
そんな中で、「数学って何?」とか「どうして解き続けるのか」とか、彼らなりに考えを巡らすわけ。
自分的には途中で幾つかの数学薀蓄が楽しいよ。
「大学にあがってもしお前が数学を続けるのなら、そのとき、本当の数学が始まる。それは、新しいルールを開拓するゲームだ」とか、
他人というのは、よく分からない。数学ほど明快ではない。数学ほど単純ではない、というのとは違う。数学だって複雑だ。ただ、数学は複雑であっても、明快である。そこが違う、と思う。とか。うん、分かる分かる。
もう一つ。数学は、
「どうなっているかを探求する。どうしてそうなっているか、は問わない。そうなっているなら、そうなっている。それだけ。そこがいい」と、こちらはちょっと分かりにくいけど、確かにそう。
小説自体の問題として、文章が分かりにくいのが気になるなぁ。誰のセリフかすっと分からず。中高生には分かるのかなぁ〜。続編が出たけど、どうしよ…。
青の数学 (新潮文庫nex) | |
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