戦国自衛隊/半村良
『新装版 戦国自衛隊 角川文庫』を読んだよ。多元宇宙の世界。
何年も前のことだと思うけど、映画になったことがある本書。角川映画全盛の時代だったかなぁ〜。歴史モノにそれほど興味があったわけではないので、特に気にはしていなかったんだけど、きっかけは作家・清水義範。清水センセーの先生が本書の著者の半村良だったことによる。それでも、読む機会に恵まれなかったけど。
さて、本書。いわゆるSF時代劇といったもの。自衛隊員が新潟県の河口付近で演習中に突然タイムスリップしてしまう。タイムスリップした先は戦国時代。そこで歴史上のある人物に会うことから、物語は展開していく。
そして、タイムスリップものでお決まりなのが、我々が歴史を変えていいのか?という疑問と葛藤。この物語でも、
「この時代が俺たちの時代と微妙に違っているのは、何か意味があるのだろうか。俺たちがどんどんその違いの幅を広げてしまうことを、時はなぜ許して置くのだ。これは確かに罪だ。俺たちはこの時代に呼吸しているだけで罪を犯しているのだ」とつぶやく主人公。解決できない課題というか永遠の課題というか…。いや、この課題があるからこそ、タイムスリップの物語になるんだけど。
そして、登場人物。前述の引用にもある通り、微妙に歴史上の人物と違っているわけ。でも、この微妙は違いが多元宇宙の世界だと言ってもいいよね。いやぁ〜、歴史って不思議だぁ〜。
新装版 戦国自衛隊 角川文庫 | |
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