青い鳥/モーリス・メーテルリンク

青い鳥 (講談社文庫)』を読んだよ。寓話って何だろう。

モーリス・メーテルリンク作のこの作品。原作は戯曲として書かれたものを江國香織氏が「物語」として訳し直したものが本書。戯曲としての作品を読んだことがないから、自分的には初『青い鳥』。多分、子供の頃にも読んでいなかったと思う。欧州系の寓話はたくさんあるけど、どれも縁が無かったな…。

さて、主人公はご存知の通り、ティルティルとミティルの兄妹。二人は幸せの青い鳥を探しに旅に出る。でも、そのきっかけがなんとも言えず、理不尽なもの。そんなことで危険な旅に出ようなんて…と思うくらい。いや、子供の行動はちょっとしたことで起爆剤になるっていう教訓か…。

旅のお供もユニーク。犬や猫は分かるけど、水や砂糖やパンや火まで。おっと光なんていうのもいたか。この光の役割が結構重要だったりするんだけど。
そして、旅の行く先も何かを象徴するという感じだし、その旅先で出会う人々も象徴的。要は、人の成りをした概念という感じ。ここまで来ると、哲学的というか、理屈っぽいというか…。

でも、寓話だから、これを読んだヒトが何かを感じ得なければならないよね。自分的にはそのヒントが、

「わかったでしょう?人間は、人間以外の世界を全部、敵にまわしているのよ」
とか、
「私たちはどこにも行っていないわ。同じ場所にいるの。あなたの、物の見方が変わっただけよ。物事の本質を見ているの。ダイヤモンドの輝きに負けない、ほんとうの喜びがここにあるのよ」
とかの辺りかな…なんて思う。
いや、本来ならば、幸せのあり方はどうなのか?ってことを語らなくてはいけないのかもしれないけど、どうもそういう気分になれなかったのは、単に天邪鬼的な気分だったからなのかも。
気を取り直して、戯曲としての作品を舞台で見るのもいいかなぁ〜。
青い鳥 (講談社文庫)
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講談社 2016-12-15
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