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48億の妄想/筒井康隆

…に映ることを意識して生活するという背景。なんだか、想像できるようなできないような。いや、本書が発表された当時はともかく、現代はSNSというプライベートメディアを意識せざるを得ない時代かも。だとすれば、まさに「48憶の妄想」の時代は現代にも当てはまるのか…。それでも、そんな社会がヘンだと思う人も当然いて、「本当の社会生活ってものが、別のどこか遠いところにあって、現実の社会生活は、本当の社会生活をカリカチュアライズしたものに過ぎないという気がするの。人間的なものがなくて、皮相で、…

大学という病/竹内洋

…究室という狭い空間で生活しているが故に、他者とのコミュニケーションには派閥というものが非常に便利なツールになっている。そして、これを、学者という、いささか偏屈な、ということは思い込みの強いキャラクターともあいまって、大学は派閥菌繁殖の温床なのである。とまで言わしめる。さしずめ今なら、ウィルスとでも言うべきか…。大学改革が叫ばれる昨今。改革は進むのかという点が関係者の最大関心事なのは確かだけど、こうした大学の空洞化を改善すべく近年、大学改革がおこなわれている。しかし、神話も自負…

活字の海に寝ころんで/椎名誠

…を合わせてこの島での生活の場を作っていく、工夫と冒険の物語の面白さは勿論のことであるが、このようにして自然のもの、野生のものからいかに生きるための食料を見つけ、それをおいしく食べるか、ということの発見と挑戦の連続に胸が躍る。という。そう、やっぱり食べること。どんな味なんだろ、どういう風に調理したんだろ、と想像するだけで、その匂いや味を想像してしまうよね。そして、海外に出たとき恋しい日本の味。一か月ほど毎日フランス人のコックの料理に飽きた椎名氏は倉庫にコメを見つけ、「おお!」と…

就活下剋上/山内太地

…カテゴリとして、大学生活をどう送るかとか、幾つかの大学での特徴のある取組みの事例集。で、その事例の主な対象がいわゆる入試難易度がそれほど高くない大学。だから本書の副題が、「なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか」になっているわけ。ここでいう三流大学という表現は比喩であって、文中には結構一流クラスの大学も登場するよ。では、結論を言ってしまう。就活の成功の鍵は、すべてが大学生活の過ごし方。例えば、高校まで順調だったわが子を見て、親は「ウチの子は名門高校から名門大学に入ったのに…

進化/山本昌,山崎武司

…、朝食をとるといった生活習慣となんら変わりはないのだ。だから、練習は苦にならないとも。うん、こういう考え方が好き。癖にしてしまうとか、やらないと気持ち悪いとかいう状態がいいんだよね。もうひとつは、超プラス思考。「こうすればできる」と常に考えるのが、山崎の言う「超プラス思考」なのだろう。ダメならどうしよう…」と考えたら、先に進まない。どうすればできるかを考えるんだよね。これも好き。いかにもコツコツ型の思想だよね。さらに、「結局、野球選手でいることが一番楽だな」と山本昌。だからこ…

生きていく民俗/宮本常一

…くらしのたて方。昔の生活は自給自足が原則だと思っていたけど、それは思い過ごし。そして日本には、早くからこうした自給中心の村と交易中心の村があったと思われる。と。そして、交易中心の村から、職業の分化が発生してくるわけ。単なる役割分担だったんだろうけどね。そして、第2章は職業の起り。どちらかというと貧しさゆえ「生きていく」ために、いろいろな職業が起こっていったと読み解く。人身売買の話も登場するわけで、明治大正時代の紡績や製糸の女工などは、こうした前借(実質的な人身売買)で工場に雇…

箸の上げ下ろし/酒井順子

…飯を食べるごく普通の生活の中で、非日常的な気分を味わうためにわざわざ遠出をし、非日常感を演出する食物でおむすびを食べる。そのウキウキ感は、盤石の日常がそこにあるからこそ、味わうことができるのですから。と言っているよ。そう、食べるという行為にも日常と非日常があって、やっぱり日常というベースがあってこその非日常ということが、おにぎりを通しても分かるよね。そして、最後のまとめは人と人との繋がり。この本における様々な“食の隙間”シーンを、私は様々な人たちと共有しました。何に所属してい…

さとやま/鷲谷いづみ

…を考えるのに、自らの生活と生物多様性や生態系のかかわりを認識するためのキーワードとして、自然の恩恵を広くさす「生態系サービス」というキーワードが登場するよ。生物多様性は、それら「生態系サービス」の源泉であり、また、生態系が多様なサービスを提供することのできる良好な状態にあるかどうかを示すインディケータ(指標)なのです。と、これが生物多様性と生態系サービスとの関係。生物多様性の減少は生態系サービスのバランスを崩す行為だという関係になっているんだよね。さて、前述の「SATOYAM…

地下旅!/酒井順子

…の人はよく、 「東京生活って、駅まで歩いたり電車に乗り換えたりと、やたらと歩くので驚いた!」 と言うものです。確かに我々は、車移動ばかりの人に比べると、駅においてかなり運動しているもの。 と筆者。うん、これは確かにそうかも。通勤はかなりの運動量って言っている人は多いし。車で通勤すると、ほとんど運動なんてしなくなってしまうような…。鉄道の隠れた効用か?もう一つは、札幌の東豊線の項での話題。東京の鉄道は4月上旬は概して遅れ気味。それは新入生や新入社員の乗車技術の未熟の為だと指摘す…

わかりあえないことから/平田オリザ

…気になるよね。普段の生活で、演劇ってほとんど意識したことがないし。では、どのような趣旨で本書がかかれているか。わかりあえないことから出発するコミュニケーションというものを考えてみたい。そして、そのわかりあえない中で、少しでも共有できる部分を見つけたときの喜びについても語ってみたい。と筆者。ともすれば、日本人はわかりあえることが当たり前の世界で生きてきたわけで、わかりあえないことにストレスを感じやすいよね。でも、世の中が多様化し、異文化とのコミュニケーションが必要になってきたこ…

ポプラの秋/湯本香樹実

…て、そのアパートでの生活、大家のおばあさんとの関係などを中心に物語が進んでいく。やんちゃな少年とは違い、少女の心は微妙だよね。ひとつ間違えれば、神経症と言ってもいいほどの思い込みというか、突き詰めて考える。何となく分かるような気もするけど。 そして、相方のおばあさんもよ〜く考えているよ。 何だか、男子が余りにも脳天気で、何も考えていないんじゃないかと思えてきてしまうほど。アッシ的にはそれを自覚はしているんだけど…。さて、物語の結末も感動的。「おかあさん、ありがとう」と。という…

「知」の挑戦 本と新聞の大学I/姜尚中,一色清,依光隆明,杉田敦,加藤千洋,池内了

…ていて、多くの人々の生活にかかわるような場合は、広汎な総合知から眺めるほうがいいのです。と姜氏。この場合は、ひとりの「総合知」ではなくて、複数の人による「総合知」だよね。「集合知」に近い概念かな。おっと、基調講演での話を長々をし過ぎた。でも、これがこの企画の通底する話題だからいいか。この後の講演は、新聞、政治、中国や科学の話題。で、最後に科学の講演から。講演者は池内了氏。アッシ的にピンと来たのが科学と技術の違いについて。 科学は「発見の知」、技術は「創造の知」であり、両者は全…

武家の女性/山川菊栄

…の様子を、女性たちの生活を中心に綴ったもの。筆者の山川菊栄は昭和の人だが、描かれる女性たちは筆者の祖母と母親が中心となる。ただ、それだけではなく、その親戚一同、近所の人たち、そして水戸藩の人たちも描かれているよ。だから、武家だけではなく、町家の女性たちも登場するんだけどね。では、どんな生活だったのか。冒頭は子供たちの教育から。男子は塾に通うし、女子は手習いやお縫い子などに通う。そこでの様々なエピソード。 そして、きものについて。幕末だから、舶来ものの生地が海外から入ってきて、…

イギリスの大学・ニッポンの大学/苅谷剛彦

…を超えた学生、教員と生活を共にする学習環境。専門的な科目を学ぶというより、教養教育的な教育を担う部分だよね。ただ、カレッジを維持するには、それなりの資金が必要なわけで、それが3つ目のキーワードであるエリート教育に関連してくるよ。そして、チュートリアル。こちらは完全に個別指導。カレッジで行われるもので、読み書きを中心とした個別指導により、批判的な思考力を育てるもの。こうした教育の上に、ユニバーシティでの専門教育が並立しているわけで、その相乗効果は学生を育てるには十分な教育なんだ…

歴史を考えるヒント/網野善彦

…っているよ。そう、百姓以外にも様々な言葉が使われているのは事実。そこから当時の人々の生活が見えてくるのに、百姓で一括りにしては勿体無いよね。この後、不自由民と職能民、商業用語、日常用語の話と続くけれども、それもまた前述と同様。様々な言葉の中に人々の生活が垣間見える。言葉が歴史認識を変えることがあるんだね。歴史を考えるヒント (新潮文庫)網野 善彦 新潮社 2012-08-27売り上げランキング : 26562Amazonで詳しく見る by G-Tools応援クリックはこちら→

漂流/吉村昭

…まるが…。どんな漂流生活だったのか…。 一番大切はものは、食糧。これは実に呆気ない。ある生物が鳥島にはたくさん居るのだ。あとは水。これもたくさんいる生物が助けてくれる。食が満たされると、今度は生きるという気力との戦い。生きる気力を失うことは、この環境では即刻死に繋がってしまうから。長平は、鳥島に漂着した別の漂流者に、「さとりとは…、口に出すことも恐ろしいことだが、この島で一生を暮らそうと思うことです。しかし、私には、まだそのようなさとりの境地に達することはできません。どうして…

ジョン万次郎/マーギー・プロイス

…される時、捕鯨船での生活、ハワイに着いてから仲間と別れて船長の息子になってアメリカ本土に渡る決断、その後も故郷を思う心と世界を知りたいという思いの葛藤。それでも、日本へ帰ることを決断する。で、日本に帰ってみると…。『おろしや国醉夢譚』の大黒屋光太夫のようになりかけるけれども、ジョン万次郎の場合は時代が味方になる。日本が変わる時代になっていたわけ。 ラッキーだと言ってしまえばそれまでだけど、ジョン万次郎の持ち前の努力と好奇心があったからこそだったのかもしれないね。引き続き、日本…

水惑星の旅/椎名誠

…昔前までは川は人々の生活では日常だったんだよね。それが、護岸工事やダムの影響で、川が日常から遠ざかっているかも。 あとは、海水の利用。海水を淡水化する技術はかなり進んでいるようで、日本でも離島などでは実用化されているよ。これも日本の技術。さて、これだけ恵まれている日本の水資源。恵まれ過ぎていて、逆に水を大切にしていないのではないか。さらに、日本の水資源を海外資本から収奪され始めていることに気が付いていないことを指摘しているよ。このままでいくと、やがて日本はいたるところの水脈が…

名著講義/藤原正彦

…事件があり、日本人の生活は悲惨なものだったのでは?という一般的な認識があるけれども、人々の生活は貧しいなりにも、実は明るく楽しく過ごしていたんだということ。 そういう意味で、日本人は日本人のことを意外と知らないということがよく分かるよね。あるいは、藤原センセーの説のように、知らないように教育を受けていたのかもしれないけど。 日本人として、きちんと日本のことを知る必要はこれからのグローバル社会に進む日本にとって、重要なことなんだろうね。名著講義 (文春文庫)藤原 正彦 文藝春秋…

危ない大学/海老原嗣生,倉部史記,諸星裕,山内太地

…国に迷惑をかけないで生活ができる人材を育てるというミッションを掲げているという。要は、アルコール依存症にならず、結婚しても女房に暴力をふるわず、子供ができても非行に走らないような育て方をするということが可能になります、と。ウチの大学を卒業すれば、そうしたごく普通の市民への成長が期待できますよ、とアピールしているわけです。という大学。この大学は教員の三分の一が刑務所帰りだとか…。一にも二にも、大学はミッション。「世界最高の教育をします。」という大学から、「まともな市民を育てます…

大学の思い出は就活です(苦笑)/石渡嶺司

…です(苦笑): 大学生活50のお約束 (ちくま新書)』を読んだよ。普通が一番難しい。著者紹介欄には「ライター・大学ジャーナリスト」とある石渡嶺司氏。『アホ大学のバカ学生』などかなり個性的なタイトルの著作が多いけど、中身はどれもいたって真面目。多少の皮肉や嫌味はあるけど、特に嫌な感じもせず。大学がジャーナリズムの対象となるのは近年のことで、ある意味世間にさらされる対象となることは、大学としては刺激になるんだけどね。話が逸れたかも。本書の中身に戻る。 タイトルに「就活」とあるけど…

理系の子/ジュディ ダットン

…庭の子もいるし、極貧生活からの脱却のためにフェアの賞金を狙う子もいるし。 例えば、実際に2009ISEFに出場した彼ら。核融合の研究をする少年は何年も疑いの声を投げつけられた。ハンセン病という診断に打ちのめされ、事実を武器に恐怖と戦った少女。警察官に<ホース・セラピー>を受けさせた少女。女優を目指しながらも研究に打ち込む少女。学校には行かず、自宅学習でナノテク長者になった少年…etc手袋ボーイと呼ばれた少年を指導したある科学者の願い。「数学や科学ってかっこいい」と子供たちが思…

生物多様性のウソ/武田邦彦

…少しずつ進化して形も生活もより合理的で寒さにも強い生物が増えてきたのです。そう、絶滅危惧種を保護するという行動には疑問を呈す。というか、ハッキリ反対。うん、絶滅する種があったからこそ、生き延びる種が強くなったということも言えるのかも。さらに言うと、絶滅する種があったからこそ、人間という種が誕生できたのかもしれないよね。さらには、国際問題。つまりは、「生物多様性は、地球温暖化と並んで、アメリカとヨーロッパが自国を優位にするために、環境という名の下で持ち出してきた国際戦略」という…

遺伝子はダメなあなたを愛してる/福岡伸一

…まとめたもの。普段の生活で感じるささやかな疑問を福岡先生にぶつけてみたら…というコンセプトということで、その回答がいかにも生物学者らしく、逆にいうと期待通りで、アッシ的には嬉しい感じ。編集のコンセプトは前述の通りなんだけど、執筆のコンセプトは福岡先生流。ドリトル先生を登場させ、フェアネス、偽善無しの視点で世界を考えたいと言う。そして、ドリトル先生から学ぶべきことのひとつは、知的であることの最低条件は自己懐疑である、という事実です(ですから、おのれの無謬性を信奉する官僚たちは知…

スタバではグランデを買え!/吉本佳生

…デを買え! ―価格と生活の経済学』を読んだよ。アッシは安くないと買わない人。単行本が出た時に、このタイトルで一瞬興味を惹かれ、気になっていた本。いつのまにか文庫版が出て、ついでに図書館では予約状態だったので、早速予約。なんと言っても、タイトルがキャッチーだよね。グランデなんて買ったことはないし、全部飲める気もしないし。だから、グランデがお得だなんて思ったこともない。完全にショートオンリー。では、なぜグランデをお勧めするのか。買う側も売る側もお得だからというのが結論なんだけど、…

ゾウの時間 ネズミの時間/本川達雄

…ければ生きて行けない生活をしている方が、よっぽどバカだ」と言い返すこともできるだろう。と解説しているよ。うん、どの生物のサイズに適した生態を持っているということだよね。それにしても、地球上には摩訶不思議な形態をした生物がたくさん生息しているよね。でも、その形態はそれぞれに理由があり、その形態だからこそ生き残れたということもあり、人間様が「摩訶不思議」なんていう権利は毛頭無いんだろうけどね。ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)本川 達雄 中央公論社 1992-…

山に生きる人びと/宮本常一

…いは、生きる人びとの生活環境を山中に限定したこと、歴史的には縄文時代まで遡って、人びとの生活を考察していること。そういう生活をしていることには、過去の経緯があるからね。では、山に生きる人びととはどのような人たちなのだろうか。 本書では、狩人、サンカ、マタギ、杣人、木地屋、鉄山師、炭焼き、その他に職業ではないけど、落人とか。こう列挙してみると、山に生きる人びとにも、いろいろな生活があるんだよね。そして、平野の人には想像もつかないような生活が…。例えば、こんな記述が。狩猟をおこな…

忘れられた日本人/宮本常一

…。時間に拘束されない生活だけど、お昼も食べなかったり、夜遅くまで働いたりと、結構大変な生活みたい。でも、人々はそれが普通だと思っているから、気にしないっていうのが興味深いよ。そして、「嫁の悪口を言う講」の話。お婆さん達が集まって、愚痴を言い合うのだが、当然嫁の悪口が多くなる。でも、その悪口を周りに言いふらしたりはしない。自分たちもかつては嫁の立場だったが、その姑たちもそんなことはしなかったからだと。それに対して筆者は、私はこれをたいへんおもしろいことだと思った。自らおば捨山的…

facebook/ベン・メズリック

…kでの活動は、普段の生活とまったく同じなんだね。さて、物語はマークと彼を取り巻く人々でfacebookをいかに成長させていったかというストーリー以外にも、facebookは誰のものかというサブテーマのようなものがあって、そこにも注目すると楽しく読めるよ。 謎の多いマーク・ザッカーバーグだが、その実像を最もよく表しているのは、彼の名刺。シンプルで洗練された一行のセンテンス。何が書かれているかは、本書は読んでいただくとして、これだけハッキリ書かれているということは、かなり強い意思…

ためらいの倫理学/内田樹

…。もう少し云うと、「生活者の実感」と「専門家の理屈」のあいだの「ずれ」を架橋しようとする志向だとか。それでも、哲学用語(それはドイツ語)も多いし、難しい熟語も出てくるし、アッシの知性では理解までには程遠し。最近の著作はそれほど難しく書かれてはいないので、前述の通りホームページなどに書き連ねたものなので、読者レベルを想定せずに書かれたからなんだろうね。では、どんな書きものか。そこかしこの書きものに対して、内田先生の思いのたけをぶつける感じ。それを、本書のサブタイトルにもある「戦…