就活下剋上/山内太地

就活下克上 なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか (幻冬舎新書)』を読んだよ。逆パターンも知りたい。

就活本、何冊目だろ…と思うほど、最近はこの手の本が乱立気味。つられて、つい手を出してしまうアッシもアッシなんだけど。ということで、本書は就活本の一種類。手練手管というよりも、筆者のカテゴリとして、大学生活をどう送るかとか、幾つかの大学での特徴のある取組みの事例集。

で、その事例の主な対象がいわゆる入試難易度がそれほど高くない大学。だから本書の副題が、「なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか」になっているわけ。ここでいう三流大学という表現は比喩であって、文中には結構一流クラスの大学も登場するよ。

では、結論を言ってしまう。就活の成功の鍵は、すべてが大学生活の過ごし方。例えば、

高校まで順調だったわが子を見て、親は「ウチの子は名門高校から名門大学に入ったのに、なぜ就職できないの?」となるが、実は大学生活そのものに問題があるのだ。
と筆者。大学に入れは就職が決まるということでもなく、何も動かなければ就職できないのは当然の成り行きなわけで。

本書の中盤は、実際に三流大学から一流企業に入った何人かの事例紹介。でも、これって決して珍しいことではなく、どの大学にも一人や二人は必ずいそうな感じ。だから、三流大学という単語をあえて振り回す必要もないように思うんだけど。

後半は筆者が得意とする大学の事例分析。武庫川女子大学の例を上げて、教職員を巻き込んだ学生の連帯感の醸成に言及しているよ。そして、

今までの日本の大学は、こうしたことを徹底的にサボってきた。キャンパスに孤独砂漠を作り出してきたことを、猛省すべきである。学生が就職できないのも、卒業生から寄付金が集まらないのも、進んで希薄な人間関係を作ってきた大学の自業自得なのだ。
と、相変わらず手厳しい発言。何をどこまでやっても、批判の対象にしかならないんだろうけど。

最後に筆者の主張するポイント。それは「就業体験」。インターンシップしかり、アルバイトしかり。それを授業と結び付けるという点。この観点から取り組んでいる大学はほとんどないと。シラバスにアルバイトとの結び付きが書かれている科目か…。ある意味、画期的な授業かもしれないね。どこかの大学で事例が出ないかなぁ〜。

就活下克上 なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか (幻冬舎新書)
就活下克上 なぜ彼らは三流大学から一流企業に入れたのか (幻冬舎新書)山内 太地

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