危ない大学/海老原嗣生,倉部史記,諸星裕,山内太地

危ない大学 (新書y)』を読んだよ。危ないっていろいろな意味で。

大学話が連続するけど、特に意図はなく、このところ、それだけこの業界系の本の出版が多いということ。
で、本書は最近の大学にまつわるあれこれについて複数の書き手が書いたものをまとめたもの。だからタイトルの「危ない大学」っていうのはあまり深い意味はないかも。だから、いろいろな意味だと思ってもいい。

結局、本書に通底するのは、大学人はアタマを切り替えろということ。今までの考え方では今後はまったく通用しないということを、あちこちからデータや事例を集めて、それを訴えているわけ。書き手は複数だけど、全員がそれを言っているのだと思う。

そして、忘れてはならないのが“ミッション”。ミッションの不在が日本の大学の一番大きな問題なわけで、諸星先生はアメリカの大学の極端な事例を示す。
ある州立短期大学では、国に迷惑をかけないで生活ができる人材を育てるというミッションを掲げているという。

要は、アルコール依存症にならず、結婚しても女房に暴力をふるわず、子供ができても非行に走らないような育て方をするということが可能になります、と。ウチの大学を卒業すれば、そうしたごく普通の市民への成長が期待できますよ、とアピールしているわけです。
という大学。この大学は教員の三分の一が刑務所帰りだとか…。

一にも二にも、大学はミッション。「世界最高の教育をします。」という大学から、「まともな市民を育てます。」という大学まで。これだけ取り揃っていれば、ミスマッチも起きないはず。やっぱり、アタマを切り替えないとダメだね。

危ない大学 (新書y)
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洋泉社 2012-07-05
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