地下旅!/酒井順子

地下旅! (文春文庫)』を読んだよ。地下鉄版小さな旅。

作家・酒井順子氏が東京の地下鉄に乗って、あちこちに出掛ける小さな旅のルポルタージュ。後半は全国や世界の地下鉄にも乗っているけど。
ちょっと残念なのは、地下鉄の話題よりも、その旅先でのアレコレが内容的には主となっていること。鉄分の濃い人には、多少の不満があるかも。どちらかというとアッシがそうだったから。だから、読んでいて、TV番組のバス路線の旅とか、沿線めぐりの旅番組を見ているような感覚に陥るよ。

そんな本書の中で、アッシが気に入った話題を幾つか紹介。
副都心線池袋駅の項。

さらに地方の人はよく、
「東京生活って、駅まで歩いたり電車に乗り換えたりと、やたらと歩くので驚いた!」
と言うものです。確かに我々は、車移動ばかりの人に比べると、駅においてかなり運動しているもの。

と筆者。うん、これは確かにそうかも。通勤はかなりの運動量って言っている人は多いし。車で通勤すると、ほとんど運動なんてしなくなってしまうような…。鉄道の隠れた効用か?

もう一つは、札幌の東豊線の項での話題。東京の鉄道は4月上旬は概して遅れ気味。それは新入生や新入社員の乗車技術の未熟の為だと指摘する筆者。

東京の朝のラッシュ時は、次から次へと列車がやってくるのですが、それは鉄道会社の努力のみならず、乗客の乗車技術もあってこそ、成り立つもの。しばらく時がたつと、フレッシュマン達も次第に乗車技術を身につけて、列車は遅れなくなってくるのです。

と言い、札幌の東豊線での乗客の様子を東京の場合と比較しているよ。これを読むと、東京人の乗車技術は確かに格上かも。最近は、技術のヘタなヒトが目立つような気がするけど…。

女流作家の鉄道紀行って、まだまだ数が少ないよね。その先駆者として貪欲に乗り鉄を続ける酒井氏には、まだまだ乗り続けて、たくさん書いてほしいなぁ〜。

地下旅! (文春文庫)
地下旅! (文春文庫)酒井 順子

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