ジョン万次郎/マーギー・プロイス

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂』を読んだよ。名前は知っていたけど…。

日本人として「ジョン万次郎」を知らない人はまずいないと思う。知っているというレベルにもいろいろあるけど、アッシは名前は聞いたことがあるし、漂流して日本に戻ってきたというぐらいは知っていた。でも、その経緯とか日本にどういう影響を与えたのかといったことの知識は皆無。お恥ずかしい…。
ということで、本屋の平台に本書が並んだ時にはすぐに注目して、早速予約。予約数をみると、かなりの人気だったみたい。

訳者あとがきにあるように、ジョン万次郎関連の本は日本人の著作としてはいろいろと出版されているみたい。でも、本書の筆者は外国人。江戸時代の土佐の漁師が外国に出て行って、どういう心理状態だったのか、その微妙な機微が外国人の筆者に分かるのだろうかというアッシ的な興味もあったわけ。もちろん、ジョン万次郎のことも知りたかったんだけど。

さて、本書は物語風にジョン万次郎の記録が綴られる。筆者は児童文学家ということもあり、文体は優しい。そして、基本的には史実に基づいて書かれている。物語そのものをここに書くのは何の意味もないので、書かないことにする。

やっぱり、ジョン万次郎の物語は彼の心理の展開にその興味があるんだろうね。鳥島から捕鯨船に救助される時、捕鯨船での生活、ハワイに着いてから仲間と別れて船長の息子になってアメリカ本土に渡る決断、その後も故郷を思う心と世界を知りたいという思いの葛藤。それでも、日本へ帰ることを決断する。

で、日本に帰ってみると…。『おろしや国醉夢譚』の大黒屋光太夫のようになりかけるけれども、ジョン万次郎の場合は時代が味方になる。日本が変わる時代になっていたわけ。
ラッキーだと言ってしまえばそれまでだけど、ジョン万次郎の持ち前の努力と好奇心があったからこそだったのかもしれないね。引き続き、日本人筆者のジョン万次郎関連の本を読んでみようかな…。

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂
ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂マーギー・プロイス 金原 瑞人

集英社 2012-06-26
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