戦地の図書館/モリー・グプティル・マニング

戦地の図書館』を読んだよ。読書の力。

最近、kindle積読本を一気に読み進めているのもコロナのせい。いいんだか悪いんだが分からんが、読書が続けられるのは嬉しい。という訳でもないけど、今回は本の本。本書を購入したきっかけはすでに記憶の彼方だが、もしかしたら、『夢見る帝国図書館』の流れだったかもしれない。

副題は「海を越えた一億四千万冊」。時は第二次世界大戦。戦争に出ていった兵士の為に、多くの本を供給し、それによってどのような成果があったのかというアメリカのドキュメンタリー。ドイツが行った焚書とは全く逆の施策なわけで、その対比として語られていることにも注目したいね。

この「海を越えた一億四千万冊」とは、基本的には「兵隊文庫」というペーパーバック。ハードカバーは持ち歩きにくく、手軽に持ち歩ける形にしたことで最前線の兵士たちも本を読めるようになったのだとか。
そして、単に本が読めるということだけではなく、

現実から逃れ、不安を和らげ、退屈を 紛らし、笑い、刺激を受け、希望を持つためにそれを開いて熱心に読み、違う世界へと 誘ってくれる言葉に 浸った。
という精神的安定剤としての効用が大きかったんだよね。

そして、その一時的な効果だけではなく、

兵士は、兵隊文庫から深く影響を受け、その影響はいつまでも残り続けた。故郷に戻った時、多くの兵士が、出征した頃とは変わっていた。読書を愛するようになっていたのだ。
と、教養を含む人生を変えるような効果も。

さらには、それが国力に繋がっていく。

本は武器であるという言葉は、決しておおげさな言葉ではないと思う。ヒトラーは無類の読書家だったそうだ。おそらく彼は、本の力をよく知っていたのだろう。だからこそ、一億冊もの本を燃やしたのではないか。そして、アメリカの図書館員や戦時図書審議会構成員もまた、本の力を知っていた。だからこそ、一億四千万冊もの本を戦場へ送ったのである。
本の力、読書の力が戦争の結果にも繋がていくんだよね。読書の力は大きいなぁ〜。本を読んでいて良かったなぁ~。