宇宙は何でできているのか/村山斉

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)』を読んだよ。素粒子を語らずして宇宙を語るべからず。

『百億の星と千億の生命』に引き続いて科学もの。特に意図したわけではないけど、続く時は続く。
本屋で見かけた時は、平台に山積み状態だったので、かなり売れていた感じ。その要因として、「はやぶさ」があるような気がするけど、内容的には高度なもの。特に、後半のクオークの話になってくると段々とついて行けなくなる。それは、難解というより、素粒子の種類や用語が多くなって、脳の一次記憶に留まらないから。
難しいことを分りやすく説明するのは難しいことなんだけど、用語を減らすのも、そのポイントなんだと思う。

というわけで、本書。
冒頭は『百億の星と千億の生命』と同様にスケールの話。宇宙の大きさから素粒子の大きさまでを、10の冪乗というスケールで表す。
そこで登場するのが、「ウロボロスの蛇」というキーワード。アッシ的には初耳の言葉。要は、宇宙の極大から、素粒子の極小の世界が繋がっているということ。蛇の頭が宇宙で、尻尾が素粒子の世界。「ウロボロスの蛇」は、自分の尻尾を咥えているイメージ。

宇宙という頭が、素粒子という尾を飲み込んでいる。広大な宇宙の果てを見ようと思って追いかけていくとそこには素粒子があり、いちばん小さなものを見つけようと追いかけていくと、そこには宇宙が口を開けて待っているというわけです。
とこれを解説。スケールの話は、宇宙について語る時の導入部の定番なんだね。

さらに、宇宙の歴史について。主にビッグバンを中心に、ダークマターとかダークエネルギーとか。
そんな中で、アッシが目からウロコだったの、アインシュタインの理論。ニュートン万有引力の法則は、重力がなぜ物質に働くかということまでは説明していないわけ。それをアインシュタインは、「重力が空間を曲げるから引力が働く」と説明したと。うん、この説明ですごくイメージが掴めた感じ。何だか、このイメージが掴めるまで時間がかかったなぁ〜。

後半はクオークとか四つの力とか。マジで分りにくい話。ヘタをすれば、単に文字を追うだけの読書になりがち。理屈そのものも常識を超えているようなものが多いし。
そんな理屈への対応策。

あまりに真面目に考えると頭が混乱して気持ち悪くなるので(笑)、「そういうものか」とファジーに受け止めたほうがいいでしょう。私もあまり真面目に考えないことにしています。
と筆者。生活の知恵?

最後に、物理学の目指すところについて。それは、大統一理論。それは、世の中の全ての出来事をできるだけシンプルな形で説明できるような統一された理論。
ニュートンの理論も、アインシュタインのそれも凄くシンプルで我々を感動させるけれども、それ以上の何かがあると考えるのは人間だからだよね。いつかはそれが発見されて、アッシ感動したいなぁ〜。理解できるかどうかは別問題だけど…。

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)村山 斉

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